『殺人遊戯』『最も危険な遊戯』のながれで、
村川透監督で
松田優作主演の
大藪春彦原作ハードボイルドアクション映画、というつもりで見たら、完全によくわかんない80年代映画だった。アクションスター
松田優作じゃなくて
森田芳光映画の
松田優作っていうか、挙動不審で無口無表情で目つきがおかしくて(「目がすわってる」と「目が泳いでる」はあってもふつうの目をしてることがない)東大卒の、文学だか
ニーチェ哲学だかを好み
クラシック音楽を好み、すばらしい本棚とすばらしいオーディオ装置に囲まれた優雅なしかし生活感のない暮らしをしている、しかし何かのトラウマかなんかによって
人間性が破壊されてしまったらしい - と、ここで「虚無」という語を思い出すべきだったのを、何冊かの映画評論を読み返して思い出す - 連続殺人&銀行強盗計画犯罪者の役、でもって意味深ふうの前衛的なシーンがところどころ、で上映時間はだらだらとのびて2時間近く、これはひょっとしてと思いながら
蓮實重彦『映画はいかにして死ぬか』で当時のワースト10を覗いてみたら、なんと
蓮實重彦はベスト10のほうに挙げてたのでわからないもんである。