タイミングをつかまえてミニ帰省。汽車で読んだのは、『居るのはつらいよ』の人の博士論文本『美と
深層心理学』と、テレワークを基本にした会社(つまり、
クラウドソーシング的なことではなく、テレワークの仕組みを基本にしてオンライン上でコミュニケーションを組織するしくみをつくり、そちらを基本的な建付けとすることで正社員を物理的な出社から解放し(「物理出社」ならぬ「論理出社」なのだそうだ、まぁ、オフィスに来ても構わないけど来なくても構わない)、「リモートチーム」でうまくいってるよ、という社長さんの本。前者は、まぁ博士論文ということで、まじめそうに問いを立てて ー
心理療法は
フロイトや
ユングのときから「美」を扱うことが構造的に苦手だった、芸術作品の分析でも、作品の美しさを解き明かすのではなく、つまりそういう表面的なことではなく、作品の隠された深層の意味を取り出すという構えになっているぞ、たとえば箱庭や絵画療法で、美しさやカッコよさを追求して作るのはちょっとちがうでしょうというか、巧言令色というかんじで浅いとか偽りとかいうことになるでしょうというか、そういう作為的表面的な美しさとは別次元のより深層の
心理的な意味を見抜く、みたいな構えになっているわけで、しかし「美」あるいは「醜」というのは心理臨床の場でしばしば現れるものじゃないか、うんぬん、 - たとえば日本的な
箱庭療法では、意味の解釈というよりはセラピストとクライアントがともに「鑑賞して味わう」みたいなニュアンスが強調される、等々、 ー まぁしかし、
深層心理学と美の関係について学説を整理したり、古典的症例テキストとか
三島由紀夫とかについて分析したり、まぁそのあたりは博士論文感を出してはいるものの、まぁやはりじっさいのケースの話がもっとあるにこしたことはないわけで、まぁ、若い人が博士論文を書くとケースの経験が少ないぶん勉強みたいな章ばっかりになっちゃうのかな、と不必要な気を回したくもなる。まぁやはり、著者の人が
スクールカウンセラーとして会ったクライアントの中学生と、一年間ずっと、カウンセリングルームの窓の外の景色を並んで黙ってぼーっと、たまにきれいだなーとかなんとかいいながら、見てたという話が、いちばんよかった。で、『リモートチーム』本の方は、リモートチームでうまくいくぞ、という提言とノウハウが書かれていて、こういうのは取り入れたくなるよね。
↓
こちらのレビューがいい。
wsbi.net