台風のため下宿に引きこもって『 ジル・ドゥルーズの「アベセデール」』を見てた。

これ、7時間以上ある、ドゥルーズのインタビュー。台風で下宿に閉じこもってた勢いで、本棚からひっぱりだして見た。なにしろ動いて喋るドゥルーズというのを初めて見るわけだし、「アベセデール」というのがつまり、ABCD、Aはanimalで「動物」、Bはboissonで「飲酒」、というかんじでいろんなお題を出して質問し、ドゥルーズがてきとうに喋る、という趣向で、ざっくばらんでわかりやすいといえばわかりやすいのだけれど、えーとつまりアルファベットは26文字あるわけだし、まぁ基本だらだらと進んで7時間を超えるっていうか8時間近くあるという、まぁたいくつといえばたいくつな、台風で引きこもってでもいなければ見ないようなものでもあるね。まぁさすがにさいごのほうでXYは飛ばしちゃうんだけど、逆になぜその二つだけとばしたのかというのもあるけどね。
でまぁ、基本、こういうテレビのインタビュー企画というのはドゥルーズは嫌いだというので、なるほどとても含蓄深いとかよくわかるとかいうかんじでもなく、大学を退職?したばかりの64歳の、しかしそのわりには(今の感覚で言えば)老け込んでいるドゥルーズがだらだらと喋るだけなんだけど、まぁその喋りの中で言ってたように、後になってからふと何かわかるということもあるだろうからいいことにする。いやしかし、ドゥルーズの服装とかへやのかんじから見てインタビューは3日?にわけておこなってるみたいなんだけれど、あきらかに最初とくらべて中盤以降で元気がなくなって声も出なくなって咳込みが増えて、老け込んでるかんじがして、ただでさえ肺を病んでるドゥルーズにこんな鬼みたいなインタビューを敢行してだいじょうぶかいなと思いつつ見てた。

ブックレットを見たら、3回のインタビューはある程度日が開いていたらしい。3日連続、ということではなかったわけですね。あと、これ、テレビの企画として撮られて、いちおうドゥルーズの死後に公開という約束で撮られたといいつつけっきょくドゥルーズの生前に、放映してもいいよということになったらしく、テレビで放映されてドゥルーズも見たらしいけど、それはともかく、DVDになったときに、『カイエ・デュ・シネマ』誌が第一回DVD賞なる章を与えたらしい。