通勤電車で読んでた『教育格差』。日本の教育格差についてデータに基づいた検討を全部乗せの新書。学生さんにおすすめしたい。

教育格差 (ちくま新書)

教育格差 (ちくま新書)

Twitter上で評判があれこれ出てたので、注文せねばと思っていたら、わたくしごときもののところまで献本をいただいて恐縮しています。ありがとうございます。それでそういうのは後手を引いた感があって、あいたたたといいつつぼちぼち学校も始まってきたので通勤電車で読んだ。
でまぁ、教育格差ということが言われているわけだけれど、出身家庭の社会経済的な階層と子どもの教育達成との相関は、まぁ、はっきりあるよと。それで、そもそも公教育というのはそういう格差を縮める役割を期待されるけれど、まぁあまり縮めてないよ、けっきょく、階層差は、就学前の幼児教育の段階ですでに子どもに差をつけてしまうわけだし、その差がずっと小学校、中学校、とキープされるし、高校で制度的にトラッキングされていくよと。教育社会学の人にとっては、あーそうなってるわねえ、という話であるけれど、それを、幼・小・中・高という教育段階に沿って調査データからのさまざまな知見をひとつずつ積み上げることによって、どのぐらいそうなってるのか実際のところをきっちり説得力をもって示している。まぁ、日本だけが突出した教育格差社会だというわけではなくて、どんな国でも教育格差はあるわけで日本もそのうちの「凡庸な」教育格差社会のひとつではあるのだけれど、しかしそれはやはり、がんばってなくしていきましょうよ、そのほうがいいわけでしょう、ということであって、そのためには、平等とか格差とかいうテーマをきちんと自覚しながら、また本書のようにきちんとデータに基づきながら、教育制度を組み立てていくことが必要ですよねということになる。
でまぁ、教育格差に関するデータに基づいた検討を全部乗せというかんじの新書で、秋学期にちょうど学歴社会論をやるのでそこでどんどん参照して強めにお勧めするつもり。