通勤電車で読む『 教師が変わる!授業が変わる!「ファシリテーション・グラフィック」入門』。

教師が変わる!授業が変わる!「ファシリテーション・グラフィック」入門

教師が変わる!授業が変わる!「ファシリテーション・グラフィック」入門

なんかどれを読んでどれを読んでないのかわかんなくなってるけれど、ともあれ、学生さんにこのあたりの話をするということでおさらいしつつ見てみたらなんか読んだ感じがなかったのであらためて。これ、薄いんだけど、具体的でよかった。現職の若い小学校の先生が著者で、第一部では堀・加藤『ファシリテーション・グラフィック』なんかを参照しつつ理屈とTIPSとを簡潔にまとめていて、第二部では授業とか校内研修とかでFGをやった経験をたどりつつ事例として紹介してる。なんか、自分がFGに本格的に取り組んで1年、とか書いてあってだいじょうぶかな?と思うけれど、あとがきには1年間で200枚以上のグラフィックを書き続けてどうのこうの、と書いてあるので、たぶん、向いてた、というのと、荒行のようにハードなFGライフを送った1年だった、ということなのかも。いや、この本はよかったですよ。それで、じつはこの著者の人、本というよりDVDで見た人なのだった:
『明日の教室』DVDシリーズ「ファシリテーション入門」「ファシリテーショングラフィック入門」見た。学生にも見せたいなあ。 - クリッピングとメモ
DVDのほうの感想を読み返すと、面白かったと言いつつびみょうな評価をしてたりもして(直接的には、この著者の人に対してというより、DVDのコーディネーターの人に対してのようではあるが)おもしろい。DVDのほうでは、コーディネーターの人に引っ張られて、「ようするに楽しいのがファシグラ」みたいにまとめられてしまったきらいがあるが、それだと芯をはずしてしまう。FGのキモは、議論をリアルタイムで見える化していきながらそれを参加者たちが共視しながら議論を進める、というところにあるわけで、そういう再帰的な構造を視線の構造とか参加の物理的な空間構造に置き換えるしかけがポイントなんである。そのへんの視線の構造みたいなことは、こっちの本ではちゃんとはずさずに書いてあったのでよかった。