『脱出老人』読んだ。もうちょっと意外にものほほんとしたものを期待したらふつうにシビアな内容でした。

少し前にHONZで紹介されてたのを見かけて、興味を持ったんである。
『脱出老人』覚悟を決めたら福が来る? - HONZ
高齢化社会の日本のあれやこれやから脱出してフィリピンで老後を過ごす老人のノンフィクション。で、HONZのレビューに曰く、

最後に、本書は日本の高齢化社会をただ憂うだけではないことを付け加えておきたい。ここに「脱出」という視点ならではの産物を見て取れる。「幸せになる人もいるし、そうではない人もいる」と述べた上で、著者はこのように語るのだ。

ただし、フィリピンでの取材を通じてこうは言える。
日本でそのまま暮らしたら寂しい老後を送っていた可能性の高い高齢者たちが、フィリピンに来た“から”幸せになった、という事実だ。

移住することで得るもの、捨てるものとを天秤にかけ、様々な感情に折り合いをつけていく。その末に、日本では手に入らなかったような形の幸せを掴み取った「脱出老人」たち。彼らは日本社会の現状を映し出すと同時に、それを受け入れた上で幸せに生きていくための糸口も示しているのだ。
閉塞感から脱する上で最も重要なのは「潔さ」である。そんな言葉が聞こえてきそうな、爽やかな読後感の一冊だ。

というので、「爽やかな読後感」なのかしらと思いつつ、クリスマスを控えた学校帰りの電車で読み始め、あとは下宿で読んだけれど、まぁふつうにシビアな内容だった。日本の高齢化社会も、いまでこれなわけだから、自分が年を取るころにはもうどうなってるかね。「脱出」ねえ。