『雑草で酔う』。サブカル/スピリチュアル/アングラ/ドラッグ/ヨガ/ライフハック/通俗ポジティブ心理学がネット掲示板で混合したような。

気楽に読めそうなということで。なんか、法律で禁止されていないけど向精神作用のある草とかを吸引するみたいな本。著者は、社会からいわゆるドロップアウトしてしばらく軽トラックで暮らしていて、そのあと山の中に小屋を作ってそこで暮らしながら、そういうことをやっている人だそうだ。この草はこういうもの、作用はこうこう、視覚の変化はこう、意識の変化はこう、どうのこうの、成分はこれこれ、吸ってみたらこうなった、どうのこうの、みたいな話が、最初はドラッグ植物事典みたいなかんじで書かれていて、あと、その草を試していたころの自分は、みたいな自伝的な小文もおまけでついていて、ところが途中から、草も本格的になってきて、書いてる内容もなんかドラッグカルチャーとスピリチュアルと通俗ポジティブ心理学ライフハックネット掲示板で混ざり合ったようなものになってきて、チャクラがどうのドーパミンがどうのと自己流に混然一体となってきて、まぁ当人にとってはまったくまじめにその通りであるというのも伝わって、しかしなんか昔にカスタネダのものを読んだときのような感じもちょっとある。かと思ったら、さいごには父親とタバコを一服吸って穏やかに昔話に花を咲かせて家族愛に着地するという。