『ボランティアで学生は変わるのか』。早稲田大学のボランティアセンターの取り組みをまとめた本。

ボランティアで学生は変わるのか

ボランティアで学生は変わるのか

  • 発売日: 2019/12/15
  • メディア: 単行本
早稲田大学に、平山郁夫記念ボランティアセンターというのがあるそうで、そこの課外活動プログラムで「早稲田ボランティアプロジェクト」というのがあるのだそうだ。で、教員が主催して学生がボランティアで参加するプロジェクトをまわして、それぞれいろんなことに取り組んでいると。で、ボランティアで学生は変わるのか、というわけで、ただボランティアをやりっぱなしにするとあれだけど、ていねいに「体験→ふりかえり」を重視して、そこで「体験の言語化」という手法を開発してそれによって、なにをやっても「やばかった」しか言えない学生たちに自らの気づきを言語化させ変容させるのだよと、まぁそういうおはなし。で、プロジェクトが4つ紹介されてて、タイに行ったりブータンに行ったり、あるいは農村でイノシシを捕まえて獣害を防いだり、パラリンピックのボランティアになったり、するわけで、それぞれの先生たちの文章と、それから第二部では参加学生さんたちへのグループインタビューが載っている。のだけれど、まぁこれは書き方とかにもよるのだろうけれど、ふしぎと、(そういう言い方ではないが自分的になじみのある言い回しでいうところの)常識を疑う、囚われを相対化する、学生が気づきを得る、みたいなところはどこへ行って何をやっても着地点がそこになってるような気もしなくもないし、まぁ、ボランティアで学生は - 日常において、大学での勉学において、就活において、 - 変わるのか、変わりますよと言ったときに、タイやブータンやイノシシやパラアスリートをめぐる個別の知が役に立つというよりは、「気づきを得た」みたいなところに着地するのかなあという気はしなくはなかった。