通勤電車で読む『理論疫学者・西浦博の挑戦 - 新型コロナからいのちを守れ!』。おもしろい。重要。ベストセラーになるべき。

新型コロナについては、たぶん誰もがそうするように自分なりにあれこれ情報を見聞きしたり考えたりして、ずっと自分のためにここにクリップしたりしてるわけだが、
k-i-t.hatenablog.com
基本的には自分は、「専門家会議」周辺のひとたちが専門家なのだからそのへんの人たちの言ってることを基本線にして理解しようというかんじ。
それで、いま「第三波」がなかなか抑え込めないできわめてクリティカルなタイミングだと思うのだけれど、「8割おじさん」の真実、とかなんとかいう惹句のついた本が出たとなればやはり読むわけである。
で、おもしろい。おもしろいと言っていいのかわからないのは、コロナが燃えさかっていて明日は我が身をふくめどうなるかわからないぐらいの中で、ふつうはすべてがめでたく鎮火して関係者周辺も落ち着いてから語られるような当事者のことばが、語られちゃってるというところ。自分は、さっきも書いたように、この著者の人を筆頭に今がんばってる専門家の人たちの言ってることは基本的にあってると考えるけれど、でもすべてがめでたく(あるいはそうなってほしくはないけれどめでたくないかたちで)過ぎたときにしか「いったい何が正しかったのか」はわからん、ということも含め。あるいは、著者が正しかったにせよ、このコロナ禍のなかでいろいろな厳しいことになった人たちもいるわけで、その中で著者はじめ専門家の人たちは専門家としての重荷を背負いつつ仕事をしていた・しているのだ、ということもふくめ。
ま、でも、この本はベストセラーになるべきなのでいろいろすっとばしてまず一言目にいう感想は、やはり「おもしろい」。
映画化すべき。主演は市川実日子でお願いしたい。
それでまぁ、大学で研究したり教育したり勉強したりしてる人は、専門的研究と社会との関係について考えるべしだし、
まぁいち市民として(ってことかな?)、これはもう前からずっとそうなのだけれど、いまの日本がとにかく学問的専門性に対して一貫して不当に低く扱ってるというのを、なんとか変えないといかんじゃないかという気にさせる本だと思う。