『アメリカから遠く離れて』。
某日、日曜だというのに引きこもっていてはいかんということで身体を引きはがすように下宿から出て散歩に出かけ、このところ行き始めた書店にいったところふと見つけて、ほくほくと購入。で、このところ読んでた。で、それとはべつに(でもないか、その書店に入った理由の一つは某テレビのテキストを買うことだったから)、このところ、文化資本とか階級とかいうものについてちらちら考えるようなことがあり、まぁしかし日本はフランスみたいなド階級社会ではないからなあ、とか思ってたんだけれど、この本を読んだら、いやまぁエエとこの育ちの人たちの対談やなあと。蓮實本でいえば、江藤淳との対談がちょっとそういうかんじだったのだけれど、この本では対談相手が瀬川というジャズ評論の人。ところがこの蓮實瀬川のふたりは学習院の初等科、中等高等科ときて東大というコースが共通の、12個違いの同窓生。で、延々と、子どもの頃の話とか学校の先生の話とかしてる。で、誰それが同級でとか誰それが友達でとか親戚でとかそんなはなし。でまぁ、小さいころから親しんだ文化ということで、「わたくしは育ちが悪いもので」等々言いつつ映画とジャズの話、ということにもなるわけだけれど、日米開戦の夜にレコードでトミー・ドーシーを大音量で聴いてたとかなんとかそういう、まぁ、高い魂の人たちにとって戦中戦後はこのようなものでしたという。