『おかあさん』みた。大つごもりに成瀬巳喜男。

おかあさん

おかあさん

  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: Prime Video
つんどくDVDより。これは1000円だったらしい。年末になるとなぜか成瀬を見ている(年末じゃなくても、か。でも、2013、2015、2017の年末にも見てるね。ちなみに1月に見てたのが2006、2014(これは年末からの続き)、2018(これもだね)。 https://k-i-t.hatenablog.com/search?q=%E6%88%90%E7%80%AC)。
1952年。原作は、「「森永母を讃える会」主催、文部省・厚生省後援「母を主題にした綴方」応募作品集『全国児童綴方集』」というのだから、まぁ子どもの作文ということでしょう。それを水木洋子の脚本で。ちいさなクリーニング屋さんの一家のお話。おかあさん、というのが田中絹代で、娘の香川京子の視点で語られる。てっきり田中絹代寡婦で一人で小さな店を切り盛りしながらつらい目に合うやるせない話かと思ったら、驚くべきことに、健康で働き者のご主人がご健在。で、店にはその友人でハバロフスクで捕虜になってた「捕虜のおじさん」すなわち加東大介が手伝いに来ているので、気をつけろ!その男はいやらしい魂胆でもって田中絹代と店とを狙って言い寄ってくるぞ!と思ったら、驚くべきことにそういう風も見えなそう - というところから物語がスタートする。まぁあれです、子どもの作文が原作ですからね。
1952年のいわゆる「庶民」の暮らしを、映画というものがどのていど正確に描いているかはよくわからないけれど、この小さな店を兼ねた家の間取り、服装、町の様子、人間関係、子どもがたくさんいる感じ、戦争未亡人の親戚の小さい子どもをあずかるかんじ、子どもを養子に出すかんじ、等々、たとえば授業で学生さんに見せたらいろいろ発見があるかも。
あとまぁ、どうでもいいけど、途中、映画ならではの必殺のギャグがあって、思わず「はあ?」とテレビに声をあげてしまった。そういうことするかな。