テレビで『ヲタクに恋は難しい』を見ていた。

ヲタクに恋は難しい

ヲタクに恋は難しい

  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Prime Video
たぶんラスト10分ぐらいのところで福島・宮城で最大で震度6強の地震が発生、それからはずっと地震に関する情報に切り替わったので、さいごどうなったのかよくわからないわけだが、まぁ最後どうにか決着がつくようにも思えないのでまあいい。地震に関してはまだ被害の状況もよくわからない。
で、高畑充希がこのまえテレビで、髪を長くしていたころにはわかりやすくモテたと言っていたので、そんな時期があったのかしらと思っていたのだけれど、この映画の時には髪が長かった。これモテる感じなのか? なんか、役柄上ということだが会社に勤めていてピンクのなんかフェミニンなスーツをずっと着たきりで、それも含め、高畑充希がこの感じかぁ、と思いつつではあった。まぁ、「オタク芝居」が出来る達者な女優という角度から人選したのかしらと思いつつである。あと、なぜかこの映画はミュージカルふうの演出をちょいちょい入れているので、ミュージカルシーンで歌って踊れる達者な女優、という角度もあるのだろうなあとこれも思いつつ、そうすると高畑充希かぁ。オタク芝居だけなら松岡茉優というのもよぎったけれど、年齢的にちょっと下かもというのと、ミュージカルを達者にやる感じはないわけで、まぁ…高畑充希かぁ、となるのかも。
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いやまぁそのへんのキャスティングは考えると楽しいわけだけれど。ついつい「若手女優ランキング」みたいなのを検索するよね。広瀬アリスとか飯豊まりえとかどうかな、と思いつつ。まぁいい。山﨑健斗は感情のないゲーオタ眼鏡男子はたぶん合ってたのではないか(原作のマンガと合致してたかまではわからない)。
で、問題のミュージカルふう演出だけれど、あまりうまくいってないでしょう派である。特にあれれ?と思ったのは二点あって、ひとつは、ミュージカル的に無意味なところでミュージカルになる場面があって、斎藤工高畑充希が歌って踊るところ。いちおうたぶん基本的にはミュージカルで歌い踊るというのはある種の感情が高まってあふれ出してることの映画的表現なのだろうと考えると、高畑充希山崎健斗が歌い踊るのはわかるし、すれ違いの後に高畑充希がひとりで歌うのもわかる、バーで菜々緒が山﨑健斗に向けて歌で説教するというのもまぁギリわかるとしても、斎藤工高畑充希が歌い踊る流れがわからないわけである。で、そういう場面がひとつあると、結局映画全体について、あ、これミュージカルわかってやってるんじゃないのでは?単に「シュールで面白いから」ぐらいのつもりでやってるのでは?という疑いの目で見たくなってしまうわけである。というのが一点目の理由。で、二点目の理由は、よくわからんけれど感覚的に、ミュージカルシーンの撮りかたができてないのでは?というところ。もう少しキャメラがぴしっと決まってないとミュージカル感が出ないのでは、というか、キャメラがふらついていると、キャメラそのものの存在が意識されてしまって、なんかキャメラの前に人が集まって踊ってるみたいなしょぼい感じになってしまう気がする。じゃないですかね。二回ぐらい、夜の道を高畑充希が歩きながら歌ったりちょっと踊ったりするシーンがあって、キャメラがずっと後退しながら高畑充希を捉えつづけてたのはそれっぽかったのだけれど、なんかちょっとしょぼい感じがしたのだ。よくわからないけれどそのへん、ひょっとしてミュージカルの撮りかたってのができてないってことなのでは?ミュージカルってこう、歌ったり踊ったりしている人物というよりも、画面内の空間全体がミュージカル的空間に変容する、ってかんじがないと、なんかたんにふつうの現実の中で歌ったり踊ったりしてる人がいてそれを撮影してますみたいな、なんかしょうもないYouTube動画みたいなかんじになっちゃうんじゃないかなあ、とちょっと感じた、というのが二点目。あとまぁ、これはテレビだからってのもあるけれどミュージカルシーンが一段落つくたびにCMに入って、それでCMが明けると話が次に進んでいる、というのが繰り返されて、なんかラブコメのストーリーを丁寧に語って盛り上げていこうという気が感じられないってのもあるな。最初に職場の仲良しの今田美桜が出てきて探りを入れてきて、付き合ってるの付き合ってないの、隠したりとか、ああよかったとかいって今田美桜が山﨑健斗をちょっと狙うかんじがあったりしたのがその後まったく放っておかれてて、え?ちょっとまってそこラブコメ的に大事でしょう、結局職場ではバレてるのか秘密なのか、バレてるならどうやってバレたのか、そのとき今田美桜はどうなったのか、みたいなことの一つ一つがラブコメを構成するのではないのか、とまぁ、思うわけである。なんか、そういうのをすっとばしているので、たぶん映画の山場であろう、すれ違ったままなんやかんやで高畑充希斎藤工の部屋に行ったところで菜々緒と山﨑健斗と鉢合わせする、みたいなところが盛り上がる気配がさっぱりないかんじだったじゃないか、と思いつつ、そこで地震だったのでそのあと盛り上がってたらすいません。

ていうか、いや? 冷静にふりかえってみると、この映画、ラブコメ的なところがほとんどないぞ? 面白キャラの高畑充希と山﨑健斗が、付き合い始めましたよ、という設定だけあって、あとは、「変わったデート」の「場面」とか、「ちょっとすれちがった」という「場面」とかが提示されて、あいだを「歌のシーン」が埋めている、という、なんかミニコントのバラエティみたいな構成なのかな。いやもちろん、ラブコメを冷静にふりかえるというのも酷な話なので、冷静にふりかえってみればほかのあれこれのラブコメ映画だって似たようなものかもしれないのだけれど。