『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』。看板に偽りありの不快な本だが何か所か読むところはあった(のかなあ)。

タイトルを見て、まぁ仕事術の本というのは基本的に、意識が低いほうが(非精神論で即物的になって)おもしろいわけなので、学校帰りの電車で読み始めた。でまぁ、最初の「第1章」で、「コミュ障でもうまくごまかしてやっていく」ということを言ってたのぐらいは、まぁよかった。まぁそのぐらいで終わっておけばよかったんだろうなあというのがこの本の積極的な感想で、たとえばほんとに「友達0のコミュ障」のひとが仕事に悩んだとしてこの本を手に取ったらたぶん死にたくなるだろう。著者の人は、友達のいない人、「コミュ障」の人、あとほんとうに「一人」で稼いでいる人に、謝るといいだろう。著者の人は、早稲田の理工を出てなんかよさげなITコンサル会社に入社したものの「コミュ障」で失敗し、退職して、いまはフリーでやっているシステムエンジニア、というふれこみなのだが、「第2章」で明かされる経歴を見ると、会社でそれなりに仕事をあてがってもらってたのにYouTuberとかインフルエンサーとか?に感化されて退職、で小説家になるといって箸にも棒にもかからないものを3作ぐらい投稿してとうぜん箸にも棒にもかからず、YouTuberになろうとしても誰も視聴せず、クラウドソーシングのこたつ記事で稼ごうと思っても雀の涙、ブログで稼ごうとしてもお小遣いていどで生活できるには程遠く、スマホアプリ開発ならできるのではとアイディアを思いついたがどうにもならず…といったダメかげんで、しばらくは「なんだこれは?」と思って読むわけだけれどだんだん種明かしが見えてくる。けっきょくどうにもならなくなって実家に戻った娘にパパが手を差し伸べて、「知人のビジネスインキュベーター」を紹介してくれる。で、ただでアドバイス。で、「エンジニアさん」も紹介してもらって、そのエンジニアさんと、思いつきのアプリの案をああだこうだいってるうちにアイディアは全然別物に化け…しかもただで相談した挙句にけっきょくものにならず没。でこんどはまたパパが「ビジネス投資家さん」を紹介してくれて、その人がなぜか何物でもない著者のあやふやなアイディアにポンと「とりあえず一千万」出してくれる。それでなんか会社を設立して?なんか前職でお世話になった人に「サポーターさん」になってもらってなんかやるけどそれもけっきょくものにならず没。で、しかたないのでアプリのアイディアにならないかぐらいの気持ちで配送のバイトをフルタイムにしたら失敗ばかりだったし腰が痛くなったのですぐやめて、どうしようかと思ってたら「サポーターさん」がプログラミングの業務委託契約、月60万円、というのを回してくれました、という。うーん、ようこれで他人に講釈しようと思ったな。でまぁ、「第3章 お金」では、家計簿をつけてお金の使い方を見直そう、でもこまかいレシートをいちいち集めたりしてもうまくいかないから固定費だけ書き上げよう、それで私は火災保険とガス電気を安いところに替えて、月6000円だったか浮かせました! 年間にすると8万円!すごい! アマプラのサブスク代とか、カフェでコーヒーを飲んだりするのを節約すると生活の質が下がるのでそれはやりません! みたいなかんじ。収入のうち何割を投資に回してます、あ、不動産投資の会社もはじめました、みたいな。人生を長期的に見て節約するために、ちゃんとしたファイナンシャルプランナーに見てもらいましょう、数万円の投資は無駄になりませんよ、とか。「第4章 メンタル」では、じぶんが落ち込んでヤバかった時には、彼氏には愚痴を聞かせたくなかったので日記に書いていました、これおススメ!みたいな。あと母親と毎日散歩したりしておしゃべりしています、とか、そういえば去年母と二人でイタリアに旅行に行って…とかなんとか。たぶんこれ、人をムカつかせようと思って書いているというわけではないんだろうなあというところがキツい、というか、あーそうなんだ、というかんじで勉強になる。