『木と市長と文化会館』みた。いかにもエリック・ロメールな、男女がずっとそれっぽい議論に興じてる楽しい映画。

なんとなくこういうタイミングかな、ということで未見のロメールを。むかしにVHSで録画したのをDVDに落としたもの。若い市長とか市長の彼女の小説家とか編集者とかフリーのライターとか教師とかが、政治とか環境問題とかについていかにもそれっぽい議論をしている。なんか地方の農村の領主かなんかの子孫の男が左派政党に属しつつその農村の市長を務めてるよと。いうても根は都会っ子だし国政も狙っててパリと行ったり来たりだけど、地盤がその農村なので地元にも軸足をおくつもりだよと。で、この市長が国の文化予算なんかもひっぱって、地元に文化会館っていうか劇場とか図書館とか体育館とかの複合施設を建てる計画を進めている。市長の彼女は小説家で都会っ子で田舎暮らしなんか三日で飽きるタイプで、文化会館の計画にもひとこと言いたい感じ。市長のいとこはパリで政治雑誌の編集長をしていて、その雑誌に寄稿してるシングルマザーのフリーライターも同席して市長や小説家と議論したり。でまたフリーライターが興味を持って農村に出向いていろいろインタビューしたりとか。いろんな、しかしまぁ似たりよったりの、まぁ魅力的なかんじの人たちが、あちこちで顔を合わせては、高尚なんだか通俗なんだかわからないけれどそれっぽい議論をしているのをキャメラで撮ってるだけでなんか魅力的で、なんかエリック・ロメールだなあというかんじ。で、こまっしゃくれた小学生女子まででてきてそれっぽい議論をしたりして、なかなかたのしいわけである。