今週いよいよ厳しくなってきた空気感で記事をあらためる。
「まん延防止等重点措置の適用の要請等についての会見」
www.kantei.go.jp
「大阪・京都・兵庫「まん延防止等重点措置」について協議」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd635611fddfbe8bac51a0560f1297cbabd27e4dnews.yahoo.co.jp
ま、このぐらいのかんじ。
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さしあたり数字から。いまが1/19(水)のおひるやすみなので、まだおおかたの今日の分の数字は足されてない前提で。「10万対発生数」をメモ。東京178、大阪234.3、兵庫122.5、京都169.7、奈良98.2。現状いまいちあてにならなそうな実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/17時点)、全国2.49、東京2.79、大阪2.98、兵庫3.6、京都2.82、奈良2.19。
記事としては、
「大阪府、濃厚接触者特定を事業所に一任 保健所の負担軽減」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c5d8218d43e2e715c5d366e8a9878448922ada1news.yahoo.co.jp
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いくつかの記事をマーク。いずれもとても参考になる。
西浦先生。
www.buzzfeed.com
www.buzzfeed.com
忽那先生。
news.yahoo.co.jp
いずれも、意外にも、オミクロン株の特徴が見切れてきたのでコントロールできそうになってきた、という内容ではある。
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1/21.
丼先生レターTweet。無症状濃厚接触者の陰性率がみょうに低いのでは?という感触、オミクロン株は潜伏期間が短くなったとともに、「発症前にウイルスをまきちらす」従来のコロナの特徴が薄くなったのでは、という推論。
秘書です。先生から今朝届いたレターです。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) 2022年1月20日
難しい話なので私にはちょっと理解できない感じになってきたので、後でよく読んでみようと思う内容ですが、貼り付けておきますね。 pic.twitter.com/VwlGgJK8IV
無症状、微熱ぐらいの症状、あるいは高熱でも12時間以内ぐらいだとPCR陽性が出にくいという感触の報告。
秘書です。先生から、連日のお知らせで申し訳ありません。なんかだいぶん切羽詰まってる様子です。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) 2022年1月19日
検査の在庫が足りなくなりそうみたいです。
あと、迂闊に今の発熱外来に近寄ると、逆に陰性の方がもらって帰ってしまう危険性が高まっていると。 pic.twitter.com/t4Ym1pQKNO
このあたりは、1/15にここに貼り付けたべつのかたのTweetでの「潜伏期間が短くなったからウイルスを排出したりPCR検査で陽性になったりのタイミングも早くなるのでは」という見方とは逆になってる。
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1/22.
上記に関連してみかけたTweet。これもスレッドで。
オミクロンのウイルス量のピークがいつに来るか、特に発症日の前か後かというのはどうなんだろう。
— Sukuna (@SukunaBikona7) 2022年1月21日
この研究(https://t.co/2FagnqaEiq)ではPCR陽性化からCt値の最低値になるまでの期間はデルタとほぼ変わらず。オミクロンはデルタよりも潜伏期間が短く、3日程度なので、ピークは発症後か?→ pic.twitter.com/KKnY8fp5lU
スレッドで参照されている感染研のレポートは、1/5付の「SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第1報):感染性持続期間の検討」だった。
www.niid.go.jp
オミクロン株症例において、Cq値は診断日および発症日から3~6日の群で最低値となり、その後日数が経過するにつれて、上昇傾向であった。診断または発症10日目以降でもRNAが検出される検体は認められたが、ウイルス分離可能な検体は認めなかった。これらの知見から、2回のワクチン接種から14日以上経過している者で無症状者および軽症者においては、発症または診断10日後以降に感染性ウイルスを排出している可能性は低いことが示唆された。
このあたりの、「感染を広げるのは(特に広げやすいのは)いつからいつまでか」を頭に入れておくとけっこう頭が整理される。
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こちらの記事のまとめ。「オミクロン株の感染力は「速い」」。
www.fnn.jp
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ふむ。はてさて、いまのところ確実だと理解できるのは「潜伏期間が短い」ことだが、オミクロン株の「世代期間が短くなってる」というためには、「感染性ウイルスを排出し始めるまでの期間が短くなってるよ」が言えないと話が合わんように思える。げんにこれだけ感染が急拡大しているのだから、たぶんそれは言えてるのだろう。そうすると、ここ数日ここに貼り付けてきたいくつかのTweetの関心、けっきょく感染を広げる/広げやすいのはいつからか、感染してから何日目ぐらいからで、発症より前か後か、どのていどか、みたいなことを、うまく整理して理解しないといかんなあ。
たぶん、潜伏期間が短くなって平均3日程度。おそらく感染力を持ち始めるのもやや早くなって発症より前から。でも感染力のピークは発症よりも後にシフト。ぐらいのかんじが、穏当な理解かしらん。
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「世代期間が短い」から意味のありそうな見通しを導いている。なるほど。
οが急速に感染拡大し、その後、急速に感染収束していく理由、ようやく完全に理解した!
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) 2022年1月22日
『世代時間が短い』から一気に拡大するけど
『基本再生産数は実は小さい』から、
行動制限や免疫保持者の増加によって実行再生産数が1を切りやすく、
そうなると世代時間の短さから一気に感染収束していくんだ! https://t.co/YO1yVzTdMZ
ふむ。これは魅力的な見方だわね。そっちにいくといいんやが…。
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1/29.
さて、感染拡大は進むよ。おさらいをすると、ここのこの記事を立てたのが1/19すなわち10日前。そのときの「10万対発生数」は、東京178、大阪234.3、兵庫122.5、京都169.7、奈良98.2でした。さて、本日の「10万対発生数」はというと、東京691.9、大阪674.9、兵庫465.8、京都499.2、奈良372。増え続けてる。ついでにいうと検査陽性率は東京が34.2%、京都が39.6%。もう濃厚接触者追跡もかなり省略、検査も場合により省略(これはまぁ合理的ではあるけれど)、というわけで、上記の「10万対発生数」の外側にかなり把捉されてない数があるだろうなというかんじ。いちばんさいしょのころは、やはり検査がまにあってなくて、おそらく把捉された数字の10倍ぐらいを見ておくべし、ということだったと思う。そのご、まぁまがりなりにも体制がととのって、第5波まではさすがに10倍ってことはないよねとなっていたように思うが、このところの感染急拡大による混乱ぶりは、ひさびさに10倍ぐらい見ておくべしなのかなあという気にさせる。たとえば東京、大阪だと10万人に700人弱、を10倍するとすると、1万人に700人、つまり100人に7人、ぐらいの率を頭に入れておくべしなのか。うーむそれはちょっとさすがに多く計算しすぎか…しかし100人に0.7人、というよりは、もう一つ上の桁だろう、という気はするわけで…。
ちなみに、実効再生産数にかんしては、オミクロン株の世代期間が短くなったことによってパラメーターの数値を変えるべきなんだけれど、東洋経済オンラインのウェブサイトの計算式はたぶんまだ従来のまま(いずれにせよたぶん簡易計算ではあるわけだし、データの連続性を優先するという考え方、「いつオミクロン優勢になったか・どの段階でパラメーターを切り替えるか」が難しいなどあるわけだから、まぁ変えないでいる理屈もわからんではない)なので、自分的には、現状を捉えるだけの目的からすれば、参照しにくいと考える。
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2/2.
感染拡大は進むよ。とはいえ2月上旬にはピークに達して・ピークアウトしてくれるのでは、といった希望的観測も以前あったわけで、そういう目で見ると、なるほど実効再生産数は下がってきているようにも見えなくもない。
といいつつ、こちらのTweet。スレッドでみるべしだが、
つまり現時点では後者の可能性が高く、患者数はまだ加速的に増え続けているが、すでに把握できない状態になっていると考えたほうが良さそうです。https://t.co/uexiMQdF46 pic.twitter.com/z6bWWwwsOj
— influenzer (@influenzer3) 2022年2月2日
なるほどおっしゃるとおりに思える、見かけ上の感染者数の増加が鈍ってきたように見えるのは、検査がサチってるからでしょう、と。「点線でしめされるPCR陽性率は直線上に上昇しており…」ということで。まぁこのまえもそんな気がしてたようなことは書いたけれど、やはりそうなのかと。まぁね。ちなみに2/1時点の検査陽性率は東京が36.4%、京都がおどろきの51.0%。なるほどこれはみるからに機能してないかんじですね。
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2/3.節分。アボカドサーモン巻きと明太子いわし。なぜか豆だけ売り切れてた…。
さて、なにしろ検査がサチってるのでかんじんの感染実態が見えない状況。そこで、なんらかの見えている指標を手掛かりに推測をこころみることになる。上↑のTweetでは、検査陽性率が直線的に上昇していることから、感染者数の増加の勢いが止まってるというのは見かけに過ぎないとする。
別のかたのTweet。
感染者数はもはや意味ないけど、重症患者数が急激に増えてないってことは感染者の実数は横ばいか、それに近くはなっていきていると思う。ここから一気に病床使用率が上がる事態は考えづらい。
— 青いプロフィール (@MalusPumila4) 2022年2月3日
なるほど、重症患者数というのを手掛かりにすると。まぁ、重症患者は比較的まだ把捉されているとすれば、そこから感染者数が横ばいになってるんじゃないかという推測を導くぞと。ふむ。
さて、丼先生のTweet。
秘書です。先生からのレターです。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) 2022年2月1日
気持ちはわかるんだけど、早速浮かれてる人たちは何考えてるんだ?・・・とおっしゃっています。 pic.twitter.com/XQnEujWJBK
ピークアウトするのではの気配を仮にちょっとぐらい見つけたからといって現状の爆発ぐあいからすればさしあたりまだぜんぜんいみないんだよねと。御意。
↓
ところで世間では富岳のシミュレーションの報道発表が話題。
【富岳によるシミュレーション研究】
— TM_Quencher (@TM_Quencher) 2022年2月2日
15分間対面で会話したときの平均の感染確率(オミクロン)
マスクなし
距離50cm以内 〜100%
1m以上 〜60%
マスクあり
距離50cm以内 11%
1m以上 〜0%
マスクをしていても会話時の距離が近すぎると危ないです。https://t.co/xQlZXarkGo
ここから「マスクをしても無理なんだ~!」と盛り上がるというのが流行ってる気配だけれど、まぁそれ以前にウレタンマスクとかなんかよくわからないペラペラのマスクをやめるべきだといいたい。いまどき50cmの距離で15分間会話する機会というのはたぶんあんまりないんじゃないかな。それに、さすがにこの社会の人たちは2年間いろいろ経験を積んできたわけで、まがりなりにも感染をコントロールしてきたわけなので、今の時点で富岳のシミュレーションでなにか新知識が付け加わるとは考えないでいいんじゃないの。もしマスクの効果がなくなるみたいな重大な事態がおこっているならば、感染のコントロールはもっとできなくなってるはずだ。
*
2/4.
西浦先生のインタビュー記事前後編。
「検査がサチってるのは考慮に入れないといけないけど」「データからはピークが見えてきてるよ」「でも山を越えるとはいえ流行はだらだらと続くかもだし重傷者は増えるだろうし医療はいよいよきびしくなるかもね」「そうなってから緊急事態宣言とか打っても効果は薄いよ、あれは上り坂のときにガツンと行くには効果があるがもともと下り坂のときに打っても社会経済的な痛みに見合う効果は得られないもんだよ」「なのでこれからしばらくきわめてきびしいし打つ手もないので、かかりたくない人は個人個人で自分の身を守ろうね」ぐらいか。
www.buzzfeed.com
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理解できるなあ。きびしいなあ。
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2/9.
さーて、本日の「10万対発生数」はというと、東京909、大阪1167.2、兵庫718.6、京都696.3、奈良564.1。いちおう全国の空気感でいえば、ピークが見えてきたかなぐらいのかんじではある。ただし検査はとうのむかしにサチってるし大阪では保健所の報告がついにようすがおかしい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/12768ce37008170449a80b1f129d4d2ed42a00dd
【速報】大阪の新たな感染者は2万人前後 うち約9000人は計上遅れ 2月8日
2/8(火) 14:36配信 関西テレビ
大阪府の吉村知事は8日、新たに確認された新型コロナウイルス感染者数が、2万人前後になる見通しだと明らかにしました。
吉村知事によると、このうち約9000人は、大阪市保健所の業務ひっ迫などで計上が遅れていた感染者だということです。
先週の火曜日の感染者数は1万3925人でした。
これ、保健所の計上遅れぶんをまとめてドンと混ぜた、ってことかしら、だとすると、そんなかんじの大阪のデータがどのていど現実を反映しているのか、とか、そういうことなら保健所は現在進行形でけっこうないきおいで計上遅れし続けてるんちゃうのと思わざるを得んかんじのニュース。この状態で多少新規陽性者の数字が上下したってピークアウトとか言えるかね。と。ついでにいうと検査陽性率は東京が39.7%、京都はもうボロボロの60.1%。
そして丼先生のレター。
秘書です。先生からレターが来たのですが。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) 2022年2月9日
ちょっと、どう返事をして良いものか、私も言葉が出ないです。 pic.twitter.com/eSuh263yHn
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2/19.
「まん延防止」なんとか、というのを都道府県ごとに延長とか解除とか決定したニュースが昨日だったのかな?もう自分に関係すること以外はあまりフォローできないなあ。状況は地域ごとにちがうし、何が効いたのか効かなかったのかもわからないし、いろいろなことが繰り返されて新鮮味がなくなってきて、なんかSFの「第136次世界大戦が終わってすぐに第137次世界大戦が…」みたいな世界。
淡々と感染状況のデータを。本日の「10万対発生数」はというと、東京647.3、大阪805.2、兵庫511.7、京都479.8、奈良511.7。ほらね、10日前よりちょっと減ってますね。ものすごくものすごくものすごく多い、から、ものすごくものすごく多い、に下がったぐらいのかんじ。そうそう、東洋経済のサイトが、2/10付で、実効再生産数の計算をオミクロン株に合わせて修正したのだった。いちおう最新の数字的には全国0.96、東京0.95、大阪0.97、兵庫0.94、京都0.94、奈良0.99。まぁそんなかんじ。ただし検査陽性率的には東京が40.1%、京都が67.3%ということで、じつはあいかわらず全然把捉できてないかんじ。忘れてしまいそうになるけれど、検査陽性率というのはいちおうWHO的には、「5%未満を維持すること」を推奨、だそうだ。一昨年前の忽那先生の記事をもう一度おさらいのため貼り付けておく:
news.yahoo.co.jp
記事の中では、第一波のときの31.6%という数字をあげてあのときは検査が足りてなかったと書いているけれど、まぁ、現在の数字はそれどころではないわけである。「検査」が足りないというよりも「検査体制」が機能しなくなってるかんじ(まぁ、検査試薬が足りなくなってるという話もあったけど)。