『挑発する少女小説』読んだ。やはり願望としては学生さんに勧める新書リストに入れたいけどそれは『世界名作劇場』世代のノスタルジーなのか。

斎藤美奈子というとまぁ自分の世代的に信用する書き手なわけで、それが『小公女』とか『赤毛のアン』とかの少女小説を読むといえば、うん、これはいいでしょう、となるわけだけれど、まぁそれは世代的にそうなわけで、いまの学生さんが『若草物語』とか『あしながおじさん』とかを読んで育ちましたかというと、ちょっとわからない。まぁわたくし自身だって、読んだかと言われれば、せいぜい児童向けにリライトされた(たぶん)『若草物語』を読んだていどなのだけれど、しかし、世代として『カルピスこども劇場』や『ハウス食品世界名作劇場』に親しんでいた世代(まぁ『小公女セーラ』をやってたのは自分が大学生のときで、そのときは子どもとしてというよりはアニメおたく的なノリで見て、かつ、サウンドトラック盤のカセットテープとか、テレビ絵本とかも買ったりしていたわけだけれど)で、『アルプスの少女ハイジ』やたぶん『赤毛のアン』もリアルタイムで見てて、まぁ『愛の若草物語』や『私のあしながおじさん』のころにはもう見てなかったけれど、今年は若草物語をやってるのかあ、ぐらいの認識は持ってたわけである。『大草原の小さな家』はNHKで毎週放映してたのを見てたし、『長くつしたのピッピ』も子ども向けの海外ドラマとしてNHKでやってたのも見てた。『ふたりのロッテ』は学校で連れていかれたかテレビでやってたか、こどもミュージカルで見たんだと思う。まぁそういういみでは、自分は世代的にはこれらのおはなしには触れていて(けっこう主題歌とか歌えるもんね)、それはたぶん世代的なものだと思う。
世界名作劇場 - Wikipedia
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いいですな。
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いやもう、いいですねぇ。
長くつ下のピッピ - Wikipedia←たぶん、「少年ドラマシリーズ」枠で放送されたのを見たんだろうと思う。
→いかん、検索したら出てきた。これこれ。覚えてた通りだった。
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大草原の小さな家 - Wikipedia
で、つまり、いまの大学生世代にこの本を勧めて、通じるかしら、というのがあるので、ちょっとためらいをおぼえなくはないのだ。
と思いつつ、書店の新書棚でこの本を買うかどうか迷ってたのだけれど、まぁ学生さんに勧められなくても自分が読むからいいんだもん、ということで買って、まぁ読んだらやはり斎藤美奈子だし、きちっとクリアで、しかもちゃんとこれらのおはなしたちの触発力を引き出すかんじに、ながいあいだ女子たちが読んできた理由がわかるように、つまり、少女小説なんて親や社会が女子をジェンダーに閉じ込めてしまうために読ませようと生産流通されてきたに決まってるにもかかわらず、これらのおはなしの女子たちはちゃんといきいきと動いて読者女子たちを勇気づけてるよね、という読み筋で読んでて、まぁそういうのはやはりいい。で、うーん、こういうのをやはり学生さんに読ませたいなあ、というのが勝ちそうな気分なわけである。