通勤電車で読む『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』。マイコミ新書メソッドか。

読みやすそうで面白そうな新書ってことで。これもタイトル出オチってところはあるが。出たときに少し話題になった本だと思う。理系ヒョロガリの企業研究者である著者が、上司の命令でマグロ船に乗ることになり、40日間の漁を漁師たちとともに経験したら、そこに会社人生で必要な知恵がすべて詰まっていて、漁を終えて陸に帰って新規開発研究を無事成功させた著者はコンサルになる、というおはなし。船に乗って赤道付近まで行って漁をして帰ってくる、という時系列のストーリーがあるのと、海の男たちから齊藤が表面上雑に扱われるあたりのユーモア感があって面白く読めるが、まぁ内容そのものは、よくあるチームビルディングとかファシリテーションとかの内容。マグロ船というのが、命がけであること、運次第であること、小さな船に閉じこめられて40日間過ごすこと、などの特徴を持ってて、そのあたりが、まぁ事例としてのわかりやすさになってる。でもまぁ、世間的にあまりスマートにみられてないっぽい職業のおっさんがビジネスの最先端の知恵を語る、という構成(ちょっとカスタネダみたいでもあるね)は、まえの(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/03/30/163246)『大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント』本でも同じで、でまぁ、その知恵というのもまぁTwitterとかでまいにちどっかで「ちょっと深い名言」みたいなかんじでちょっとバズるぐらいなかんじのものなので、まぁものすごくいいとまでは感じないかなあ。マイコミ新書メソッドというのがあるのかもしれない。