『サードプレイス』は昭和一桁世代の著者が1989年時点で書いたもの。

1989年というと日本ではバブル経済のころか。昭和から平成に移ったころ。本書の著者は1932年生まれというので昭和一桁世代ということですね。第二次大戦が終わったときに13歳、まぁ戦時下や終戦後にもアメリカのその世代は意外とのんびりしていたのか、あまり戦争の影はないかんじで(終章ぐらいに少し言及される)、まぁ古き良きスモールタウンが原体験、というかんじ。で、ここで出てくる若者世代というのは、だから、たぶん団塊の世代から少し下ぐらいってイメージなのでは。まぁ、1989年なら、日本だと、団塊の世代とかそれより少し下ぐらいの世代が書き手として出てきていた頃だろうし、その世代の人たちが少し後には郊外論とかも論じ始めることになるんじゃないか。そのぐらいのタイミング。ていうと、1989年時点に昭和一桁世代の書いた古き良きコミュニティ論、というのは、まぁとくに今の目で見ると世代的な偏りはやはり感じなくはない。