通勤電車で読む『マンガでわかりやすいうつ病の認知行動療法』。これはまぁそこそこ。

認知行動療法がマンガでわかるような感じの本を読むシリーズ。これも『はじめての認知療法』『マンガでわかる認知行動療法』『マンガでわかる心の不安・モヤモヤを解消する方法』と同じ著者( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20120315/p1 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/08/28/133502 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/09/01/131412 )。前の「不安」本で、「うつは過去、不安は未来」に対する感情、という言い回しが出てきたので、この本のタイトルに「うつ病」とあるのは、前の本と対になっているってことなのかしら、と期待しつつ読んだけれど、まぁ、たぶんさほどでもなかったかな。たぶん、マンガでわかる本の中でも認知行動療法のやつは、面白さがかなりマンガのパートに依存してる気がしてきた。この手の本のマンガのストーリーって誰が書いているのかしらん?まぁ、精神科医の大野氏は「監修」とクレジットされてるので、まぁ文章のほうは大野氏だろうけれど、マンガのストーリーは「漫画」とクレジットされてる今谷という人が作ったんだろうか?(この人は、奥付によると、本宮ひろ志とか三田紀房とかのアシスタントをやっていた人らしい。『ユダヤ人大富豪』シリーズのマンガ版とか、『お受験の星』『県庁の星』のマンガ版とか、あと『人生に迷ったら知覧に行け』のマンガ版とか、かなり有名どころを書いている人)。で、本書の主人公はCAになって4年目の女子。仕事で上手くいかないことが続いてくよくよと悩んだりしている。で、先輩が気にかけてくれてアドバイスをくれて、立ち直る。じつは先輩は、今はスーパーCAなかんじだが昔はうつで半年休職したこともあってその経験で主人公にアドバイスをくれていたのでした、というおはなし。なので、本書の特徴としては、直接的に「認知行動療法」をきっちり教えてくれる専門家、みたいな人が登場しなくて、せいぜいその先輩が、「うつ・不安ネット」(著者の人がかかわっている)というサイトを紹介して、このサイトにある「コラム法」をやってみたらいい、と薦める、ぐらいなかんじ。そもそもマンガの中では「認知行動療法」ということばが出てこなかったんじゃないかな。まぁ、文章のパートでそのへんは説明されているのだけれど。でも、まぁ認知行動療法ってけっきょくそういうかんじだよな、ということかもしれないけれど、こういう、仕事でつまづいてくよくよ悩んでしまった、みたいなことと、「うつ病」というのがあまり区別されてないのかな、と感じた。ついでにいうと、前の「不安」本との対比で、つまり「うつは過去、不安は未来」に対する感情、という言い回しのとおりに、「不安」に対するのと対照的な「うつ」に対する治療法が解説されている、みたいなかんじはあまりしなくて、まぁ、結局いろいろ書きだして見える化して対処する、という部分は、まぁそれは認知行動療法ってそうなんだからそれでいいんだろうが、まぁあまり違わないかなあという気がした。なんていうかな、書き方が揃ってれば対比的になるかもしれないけど、(まぁ出版社も違うし本の編集方針も違うんだろうからこれはこういうもんなんだろうけれど)微妙に角度が違う書き方なので、あまり対比にならなかったというか。まぁ、例えば想像するに、「不安・モヤモヤ」というタイトルに引かれて読む人よりは「うつ病」というタイトルに引かれて読む人のほうが、緊急度が高いので、認知行動療法の理屈を説明するよりはてっとりばやく「うつ・不安ネット」につなげることを目的とする本なのである、と考えるとそれなりになっとくできるというか。