通勤電車で読んでた『マンガでわかるアンガーコントロールガイド』。マンガとは、というか、解説イラストとの違いって何だっけ?

認知行動療法がマンガでわかるような感じの本を読むシリーズ。これはアンガーコントロールについてのもの。まぁ、内容そのものはだいたい手の内はもうわかっていて、書きだして見える化して点数をつけてみたりして、怒りのパターンを自分でわかったり、怒りが来たなと思ったら時間を置くなどの対処行動をとったり、まぁそんなかんじ。ただ、本書で認知行動療法が出てくるのは半分を過ぎてからで、その前のしばらくは、「怒り」とは、みたいなはなしで、人が怒る要素として「ルール」が破られたり「役割」を意識しすぎたりすることがあるよ、前者は「正論」をふりかざして怒るやつで、自分は正義だと思って怒るけどそれで相手を逆に怒らせてトラブルになるよ、後者は「上下関係」とかなんとかを意識して良かれと思ってみたいにして怒るやつで、でもパワハラ的になったり煙たがられたりしてやはりトラブルになるよ、と。で、怒りは割に合わないみたいな話になって、アンガーコントロールしたいよね、となって、本の後半でようやく認知行動療法、という段取り。まぁわからんではない。
それはそれとしてしかし、本書は、マンガでわかると言いながら、主人公アラサー女子が出てこない。ドラマというよりも、まぁいちおう主人公的な青年とお医者さんは出てくるのだけれど、章ごとにいろんな人のケースのマンガになったりして、なんか、ケース紹介の解説イラストがコマ割りしてあるみたいなかんじだなあ、と思って読んだが、あらためてマンガ作者を見てみて、検索したら、イラストレーターという肩書の人だった。ふしぎなもので、マンガ家の人が描いたマンガとは、なんかテイストが違うように見えなくもない…しかしこういうあっさりしたタッチのマンガももちろんあるわけだけれど…マンガとは何か、を考えさせられるところはあるなぁ…。そうそう、さしあたり今気づいたこととして、この主人公的な青年とお医者さんの会話は、どこで行われているのか、というのがわからなくて、というか、導入では病院の受付前で青年とお医者さんが出会い、ベンチで話し込む、みたいな「客観的な時空間」が背景になっていたけれど、そのあとは、背景が「ない」か、たまにホワイトボードやテーブルのあるごく抽象的な部屋が描かれるだけで、なぜ二人がそこで会話をしているかなどの設定がない。そのへんが、なんか解説イラストっぽいというか、マンガで言っても四コマ漫画に近いテイストなのだろうなと。それがなんなのか。いや、このところ読んでた、マンガで認知行動療法がわかる、みたいな本は、だいたいアラサー女子が仕事で煮詰まってどうのこうのみたいなことだったので、まぁようするに読者が共感する人物というか、認知行動療法のクライアント像というか、そういうのが分かりやすい感じがしてたので、本書はそういう感じが希薄かなと。まぁ、このところ読んだ中でも『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/08/28/172926 )は、アニメ絵でもないし、いくぶんか背景の書き込みが少ないタイプのマンガだったかもしれないが、背景はいつもとうぜん家庭内で、カウンセラー役がなんか時計から出てくる忍者だか妖精だかで、ファンタジー仕立てでもあり、まぁ、子育てマンガとかエッセイ漫画のテイストだったかもしれない。あれはマンガ家のひとが描いてた。うーん、マンガとは、みたいなことをみょうに考えなくはなかった。