自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その25:11/1-)

ページをあらためて…。
現状としては、第7波が下がりきらないまま、下げ止まり→再上昇の気配(地域によっては明確に第8波のはじまり。北海道とか)。
けっきょく、去年の夏のデルタの時のピークが全国で25000ぐらいだったのが、第7波は30000ぐらいで下げ止まってさっそく再上昇なわけで、だめじゃんと。去年の秋は、実効再生産数0.6ぐらいまで下がっていた(10月に再上昇して10月末は0.9ぐらいまで来てたが)わけで、つまりおおよそ1週間で3-4割ずつ減ってたので、1年前のいまごろは全国で新規感染者200以下ぐらいまで下がっていたし、なんだかんだいって11月いっぱいはほぼ実効再生産数が1以下だったので、さらにじわじわと減り続けていたわけであるが、いっぽう現在は、夏以来そもそも実効再生産数が下がってもほぼ0.9ぐらいまでで、つまり1週間で1割減るか減らないかぐらいの勢いだったし、10/15に1になってから、10月末時点で実効再生産数1.06。まぁ、下げ止まりから再上昇の気配というのはそういうこと。

「直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者」について考えかたを再確認してみる。
NHKのコロナ特集サイトも悪くない感じがするのでこちらでデータを見るのもいいかも。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/#latest-weeks-card
たとえばいま全国で言えば人口10万人当たり228人、だとする(これは日経のサイトより)。すると単純計算して1000人当たり2.28人となる。
ところで、仮に今、公的な検査で、感染者のうちどのぐらいが捕捉できていると思いますか?と問うてみる。仮におよそ全部捕捉できてるを「1」、ぜんぜん捕捉できてないを「10」とすると、直感的にどのぐらいだと思いますか?等々。で、そこで答えた数字を、上記の数字に掛けてみる、というやりかたを思いついた。どういうことかというと、コロナの最初期の緊急事態宣言の混乱していたころは、検査でも感染者をあまり捕捉できていなかった、ということのはずで、それでそのころの何かの推計で、おそらく見かけ上の感染者数データの10倍ぐらいが実際の感染者だったとか言われていたと思う(うろおぼえ)。なので、仮にそのころを最大として、今がそのころレベルに混乱して捕捉できてないなら「10」を掛ける。逆に十分にほぼ完全に捕捉できている状態なら「1」を掛けてそのままの数字。これは、あまり客観的な根拠のない数字だけれど、そもそもは本人のリスク感覚にもよるわけなので、その人その人のリスク感覚でその人なりの数字が出ることをある程度よしとしよう、という考え方。自分的には、だいたいのところいい湯加減の計算法だと思っている。
それで、ややこしいのは「直近1週間の」というぶぶん。たぶん考え方としては2つあって、ひとつには、感染者が感染後潜伏期から陽性確認=行動制限までにおおよそ1週間ぐらいのあいだ、他人に感染させる可能性がある、ということ。もうひとつは、コロナの感染者数データというのは1週間を基本周期とする変化をしているので、それにあわせたほうが計算の便宜上都合がいい等々。で、前者のほうに関しては、じつはウイルスが変異するたびに潜伏期間が短くなってきてたはずで、いまだと感染から3日ぐらいで発症するとかじゃなかったっけ(うろおぼえ)。すると、感染してから他人に感染させる可能性がでてきて発症して検査して行動制限にかかるぐらいまでの間は、一週間よりも短くなってるだろうという気はしなくはない。でも、そもそも上↑のような、掛け算したりして概算をするわけなので、こまかいことはあまり考えないことにするとしましょう。おおよそ、感染から1週間、感染させる可能性がある、と。すると、1日の新規感染者を1週間分足し算して「直近1週間の」としても、ちょうど計算が合う。たとえば先週1週間で見つかった陽性者とおおよそ同じぐらいの人が、今週も見つかるだろうし、その人たちは今はまだ見つかってなくてうろうろ歩いている。そのひとりひとりはおおよそ1週間、他人にうつしうる。だから、人口10万人当たりというのをそのまま、今この瞬間に、他人に感染させるリスクのある感染者に出会う可能性、と考えることもできるし、自分がそうである可能性、と考える可能性もあるよ、等々。

11/11.
淡々と現状の「10万対発生数」を。日本経済新聞サイトとNHKのサイトから。東京337.0/330.70、大阪259.8/257.73、兵庫234.0/235.02、京都247.9/239.67、奈良249.5/251.42。ちょっと数字が違うのは、集計のタイミングかしら(いちおう同じ日付が書いてあるけれど)。でもだいたい同じような数字で、見やすいのはNHKのほうだから、これからNHKのほうで確認しようかな。ちなみに実行再生産数(これは東洋経済のサイト)は1.08。
さて、
このタイミングで西浦先生のインタビュー記事。
www.buzzfeed.com
www.buzzfeed.com

11/17.
尾身先生のインタビュー記事。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3fdc64a67cc7c5e544b57222f9c61e27a905c993news.yahoo.co.jp

11/20.
少し前にちょっと気になることがあり、そしてここ数日、体温がなんとなく安定しない感じがありたまに一瞬ふっと微熱がでる感じがあって(あれ?とかんじて測ってみたら37.2度とかが一瞬出て、少し後にもう一度測るともう下がっている、とか)、まぁ気になるので、手持ちの抗原検査キットで検査してみたらいちおう陰性。まぁ微熱については、このところ肌寒かったわりに薄着で過ごしてたりしたので自律神経が調子悪かったりしたのかなぐらいの理解をしておく。
ところで、夏に2個買ってたキットの賞味期限を見たら9月と書いてあって、ありゃ賞味期限切れだわ、と思って追加をまた2個買ってから、もういちど見てみたら2023年の9月でした。まぁな。
で、それは8月終わりにAmazonで買ったので「研究用」というやつ。1セット1980円で買ったが、同じのをまた発注したときは1セット1180円になってた。で、なぜ値崩れしているかというと、まぁたぶん流通が多くなったのとともに、たぶん「診断用」のキットも流通するようになってから「研究用」の評判が落ちてる、ってこともあるだろう。個人的には、どうせ簡易検査キットなので「研究用」でもそれなりの目安にはなるだろう、と考える。
えーと、a)実際に感染してるか、b)陽性の診断が下るか、c)PCR検査で陽性が出るか、d)「診断用」抗原検査キットで陽性が出るか、e)「研究用」抗原検査キットで陽性が出るか、f)自分の感覚で感染を判断するか、ぐらいを比べると、あるていど症状が出てちゃんとしかるべきお医者さんにかかればa)とb)はニアリーイコールかな、という気がするけれど、PCR検査もタイミングによって陽性が出ない(偽陰性)はちょいちょいおこるのでa)b)とc)のあいだにすでにハードルがあると思っている。で、PCR検査と抗原検査キットの感度の違いというのはあるにせよ、f)自分の感覚で判断、よりはいずれもはるかに確実性が高いだろうとは考えられると思っている。で、c)とd)の違いは、あるにせよ、たとえばある時期には、変異株になってウイルス量がけた違いに増えたので抗原検査キットでも陽性が出やすくなったのでは、という風説も目にした(けれど、逆に感染力の強い株ではより少ないウイルス量で感染が成立しているので陽性が出にくくなる、という理解を昨日見かけて、データも示されていたのでそれは説得力があるかな、下記リンク参照)し、コロナ感染拡大でPCRの試薬が品薄になった時期があって、そのときは病院でも抗原検査キットも使ったというのも目にしたので、まぁd)が無意味ということはないだろう、と思うし、d)とe)のちがいというのは、治験を経て国の認可を受けたものかどうかということで、そこの違いがどのくらいかということを直接示してるわけでもないと理解することにする。研究用、にくらべて診断用というのは、それだけ精度がたかくないと信用がおけない、人命がかかるわけだから、というのはわかるけれど、たとえば研究用だって、精度が低かったら「研究」にも使われないわけですから、そこそこの精度はあるんじゃないか、と理解する(まぁ、今流通しているキットは便宜上「研究用」と称しているだけで、べつにそれで研究するために作られたものではないのだろうけれど)。
参考までに、
1年前の時点の記事。これだと、確かに精度には相当ばらつきがあるようにみえるな…
wellness-sp.co.jp
また、
こちらの記事は、かなり検査キットに否定的。上で触れた記事。
www.tanaka-heart.jp
あとまぁ、それぞれの検査の原理とかはこのあたり。
coronavi19.jp

11/26.
淡々と現状の「10万対発生数」を。NHKのサイトから。東京470.10、大阪352.05、兵庫300.42、京都341.07、奈良379.77。東洋経済のサイトで見た全国の実効再生産数は1.04。
とくに全国で言うと第8波、といういいかたが意外にもしづらいのは、急激な波の立ち上がりが微妙に見えにくいってところで、去年の夏のデルタの時であれば実行再生産数1.5とか2とかなっていたのだけれど、今年の夏の第7波は1.24ぐらい?で、このたびはいまのところ1.1をいっしゅん超えたかどうか、でいま1.04、みたいなかんじ。しかし、第7波から下がりきらないうちに第8波が来ているので、だらだらと上昇しているのでじゅうぶんいやな数字にはなっているという次第。

12/4.
忽那医師の記事。
「日本に住む4人に1人、沖縄県の2人に1人はすでに新型コロナに感染している 抗体調査から分かることは?」
news.yahoo.co.jp

今回の調査は、2022年11月に日本赤十字社献血した16歳〜69歳の8260名を対象に、N抗体という抗体が測定されました。
・・・
今回は「過去に新型コロナに感染したことがある人」を調査することを目的にN抗体の測定が行われています。

日本の26.5%の人が過去に新型コロナに感染している
献血者のN抗体の調査の結果、26.5%、つまりおよそ4人に1人が過去に新型コロナに感染したことがあると考えられました。
都道府県別に見ると、沖縄県(46.6%)、大阪府(40.7%)、京都府(34.9%)が高く、長野県(9.0%)、徳島県(13.1%)、愛媛県(14.4%)が低いという結果でした。なお東京都は31.8%が陽性でした。
沖縄県の16〜69歳の約2人に1人はすでに新型コロナに感染したことがある、ということになります。
これらの結果は、基本的には、これまでに報告されている各都道府県の人口あたりの感染者数と相関しています。
・・・
気づかずに、あるいは診断されずに感染している人が数百万人いる
今回の調査は16歳〜69歳の献血者を対象に行われていますので、日本の全ての人口を代表しているものではありません。
そうした点を考慮しつつも、概ね4人に1人が感染しているとすると、日本では3300万人が感染していることになります。
2022年12月3日までに、日本では2500万人が新型コロナと診断されていますので、一部の人は再感染していることを差し引いても、感染しても診断されていない人が数百万人はいると推定されます。
海外の報告では、オミクロン株に感染した約半数は感染したことを自覚していなかった、とのことですので、今回の抗体調査の結果と合わせると日本でも自覚せずに感染している人はたくさんいると考えられます。
 
オミクロン株以降に急激に感染者が増えている
これまでにも国は抗体調査を行ってきており、今回が5回目となります。
毎回同じ検査系で行われたものではありませんが、概ね過去の感染者の割合を反映しているものと考えられます。
これまでの報告では、回を追うごとに徐々に抗体陽性率が高くなり、オミクロン株による第6波の最中である2022年2月に行われた第4回目の調査では全体の4.27%が陽性となっていました。
そこから9ヶ月後となる第5回目までに20%以上上昇しており、さらに2022年になってから24%上昇しています。
このことから、日本の約4人に1人が2022年になってから新型コロナに感染したことになります。
いかにオミクロン株の感染力が強いかよく分かります。
・・・


12/25.
さて年末。まずは淡々と現状の「10万対発生数」を。NHKのサイトから。東京841.25、大阪773.56、兵庫808.05、京都733.68、奈良890.77。おおよそ上↑に書いた1か月前の数字より倍ぐらいの見当。東洋経済のサイトで見た全国の実効再生産数は1.03。12/17の1.07から少しずつ下がっている。奇妙なことに、このたびの第8波では首都圏・関西圏の感染がさほどでなくて、全国順位でも東京35位、大阪41位、京都45位、というかんじ。当初は北海道・東北がきつかったのが、いま北海道はピークを過ぎて46位、いっぽういまは九州が上位を占めている。そして、山陰がかなりずっと上位にいる(熊本1462.87、佐賀1451.37、鳥取1449.20、島根1343.26、大分1239.31)。第8波ではこれまで感染率が低くて集団免疫ができていなかった地域がきつい、というのは当初から言われていたところだが、実際にそうなっているようにも見える。なので、基本的にはこのデータは信用できるものとする。ただ、いつものことながら、こういうデータは検査実態との関係でかわるわけで、たとえば都市部では検査そのものが放棄されている(検査体制の側でそうである以上に、感染した人が(どうせ軽症ですむだろうと)検査しないことを選択する、等々)のでは、という疑念も念のため頭の隅に置いておくことは忘れずに、となる。例えばこういう時のひとつの目安として、重症や死亡という、より確実に把握されやすい数字をマークするといいかもだけれど、これは都道府県ごとの数字では実数が少なくなって誤差が大きくなるよということのようで、そのあたりもむつかしいところ。
札幌医科大のゲノム医科学部門、という研究室が、「都道府県別 人口当たりの重症者数推移」のデータを公表している。
web.sapmed.ac.jp
このデータを見ると、京都が異常値を出しているように見えるが、コメント欄を見ると、どうもこれも都道府県ごとのデータの報告のやりかたの違いが影響をしているという解釈が妥当なようで、まぁ、実数も少なく検査報告体制もバラバラな都道府県ごとのデータだと読み方が難しくなるようだ、しかし時系列の推移などをあるていど丁寧に見ていくとそれなりのものが見えてくるよ、ということではあるようだ。まぁしかしたしかにグラフだけ見ていると京都や大阪の数字は高いなあ。まぁ、上記コメント欄の書き込みを見るに、たとえば「重症者」の定義は、そのひとが重症者の病床に行くかどうかによるところもあるということで、

無記名 2022/08/02
京都府の重症者数計上の件です。以前、貴研究室のご指摘のあった通り、厚生労働省が採用している数字は「京都市情報館」の「療養の状況」の「重症者病床利用率」の数字です。ただ、この表の欄外にある定義によれば、「高度重症病床利用率」の数字の方が、全国の重症者数を集計する上では、適しているように思います。「重症者病床利用率」を採用してるので、京都府が全国の2割強の重症者を占めるという、違和感のある数字になっているのではないでしょうか。

Marker 2022/08/14
@無記名さん,
私の勝手な憶測ですが、医療逼迫で中等症のまま亡くなる方が増えている現状で、京都府は人工呼吸器管理等は必要ではないが、重症病床で療養している方として緊急時に出来る範囲で積極的に対応しているのではないかとも考えています。短期間での数値の増減はその反映かもしれないと思います。結果的に京都府の新規死者数は人口の多いほかの自治体より低くなっています。間違っているかもしれませんが一つの解釈として参考にして戴ければ。

とかなんとか、これは8月の段階でそういうやり取りをしている。