通勤電車で読む『中高生のための「かたづけ」の本』。ジュニア新書。

新書本ということで。著者たちがどういう役割分担なのかはよくわからないけれど、おそらくメインは元航空貨物の仕事をしていた「収納デザイナー」のひと。で、もう一人は九州大学で「婚学」というのをやってた人。この本は2014年の本。
で、内容的には、かたづけの手順を「出す→分ける→選ぶ→収める」の4ステップとして、これを練習して「かたづけ力」を高める、というおはなし。そう変わったことは書いてないのだけれど、強調してるのは、「捨てる」が重要なのではないよ、ということ。たぶんこの本は、こんまり先生( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20120427/p2 )とか、その前の辰巳渚『「捨てる!」技術』とかとの差別化でそう書いているのだろうなと思いつつ読んでた。しかし、まぁジュニア新書だからいいだろうということなんだろうけれど、本書は先行文献に対する参照がなくて、うーん、リスペクトがないなあ、と思いつつ読んでた。
でまぁ、「捨てる」が重要でなくて、「選ぶ」が重要だよ、と言っていて、つまり、かたづけで張り切って捨てたって、ものがたまっていったらまたもとの状態に戻るだけであると。手に入れる→使う→捨てる、みたいなフローがあるとして、捨てられない人はフローの下流でものがたまっていく、だから「捨てる」で解決、となるわけだけれど、そうじゃなくて、そもそもものがたまっていくのはフロー全体をコントロールできてないからで、つまり、手に入れる段階で「選ぶ」ができていないのである、と。もし選んだうえでなおものがたまっていくようなら、もっと広い家に引っ越すなりなんなりする必要があるってことだよね。かたづけとか捨てるとかとはべつのはなしになってくるよね。まぁね。なので、かたづけを練習することで「選ぶ」力をつけるのである、「選ぶ」力がつけばかたづけだけでなく人生が幸せになるのである、といったぐあい。まぁねえ。まぁしかし、そういう理路はじつはこんまり先生の「片付けの魔法」ですでに示されていただろうなあという気はする。