このまえ読んだテキスト(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/25/002506)の続編。というか、こちらはこちらで基本から書いてあるみたいで、なんか重ね塗りしている的なイメージ。で、後半でやはり会話例がたくさん出ている。サブタイトルにある通り、とくに糖尿病の生活習慣指導の場面がとりあげられている。まぁでも、糖尿病だからとか禁煙だからとかそういうはなしではなくて、やはり生活習慣を変えるというのはなんにせよ誰しも気が乗らないわけで、お医者さんに言われてもなかなか変えられないものだしそれは医者に限らずなんでもそうである。なので、けっこうわかるかんじで読む。まぁ、ほんまにそんなにうまいこといくんかいなとか、まぁ、ちょっと「方法論」っぽいわざとらしい発話になってるのかなと見える箇所もあるけれど、大枠では、いいかんじだなあと思いながら読んだし、これたとえば「やる気スイッチコミュニケーション術」みたいなそれっぽい看板で読書会でもすれば、一般向けでもいけるかもなあと思いながら読んでた。
うーん、けっして理屈としてはむつかしい話ではないんだと思うんだよなあ。じゃ何がむつかしいかというと、言うは易し行うは難し、たとえば「間違い指摘反射」というキーワード。なんのことはないようするに、相手が間違ったことを言うのを聞いたらつい「正したくなる」。専門家であれば「それは違います」とか言いたくなるわけで、それを脊髄反射のような言い方でキーワード化して、戒めてるわけである。専門家の人ってやっぱり、自分の発話を「ほら、いまの発話は「間違い指摘反射」ですね」とか言われたらヤなわけで、つまりふだん患者さんのほうがヤな思いをしてるのを、むしろ専門家の人に戒めてる、でも、言われてもやはり専門家のほうもなかなか治らないわけで、いつまでたっても「間違い指摘反射」でぱっと言いたくなってしまう、それがなかなか治らないんだから、患者さんの生活習慣がなかなか治らないのもわかるでしょう、ということなんじゃないかな。そういうのがうまいなあと。