自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その28:5/27-)

状況が変わり、なにより感染状況のデータの出てきかたが変わったので、ページを改める。
全体的なデータとしては、「1週間に報告された1医療機関当たりの感染者数」というかたちに。
www3.nhk.or.jp
で、
補足情報として参考になりそうなのが、いくつかの自治体などの「下水モニタリング」。
www.city.sapporo.jp
novinsewage.com
www.pref.kanagawa.jp
www.city.komatsu.lg.jp
ただし、NHKのサイトで見れるのは都道府県ごとの数字、下水モニタリングは自治体なので、
たとえば北海道全体の感染状況と札幌の下水モニタリング、石川県全体の感染状況と小松市の下水モニタリングを見くらべても、ぱっとみにはそんなに符合しているわけでもなさそうに思える。

さて、今はこんなかんじ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/22f96a8a907cdbea956b44d4ea7c004b0d6d2551news.yahoo.co.jp

コロナ感染者、前週の1・35倍…厚労省「緩やかな増加傾向続く」
5/26(金) 20:32配信 読売オンライン
 新型コロナウイルスの感染状況について、厚生労働省は26日、全国約5000か所の定点医療機関から、15~21日の1週間に報告された感染者数が1医療機関あたり3・56人だったと発表した。前週(8~14日)の2・63人と比べ1・35倍となり、厚労省は「緩やかな増加傾向が続いている」としている。
 都道府県別では、沖縄が1医療機関あたり10・80人で最も多く、石川が6・38人、岩手が6・32人、新潟が6・11人で続いた。42都道府県で前週より増加した。報告された感染者数の合計は1万7489人だった。
 谷口清州・国立病院機構三重病院長(感染症疫学)は「5類移行に伴って医療機関を受診しない人などが増えていることも考慮すると感染者は確実に増えている。都道府県ごとの数値に注目し、地域の感染対策に役立ててほしい」と話す。
 このほか、厚労省は全国の医療機関から報告された入院患者の総数は24日午前0時時点で、前週比1110人増の5622人、うち重症者数は41人増の138人だったと発表した。

さて、感染者が「前週の1.35倍」というのは、素人的直観で言って、まえ見ていた実行再生産数でいうとどのくらいなのか、「緩やか」な増加とも思えないんだがどうだろう。しかも記事にもあるように水面下の暗数がとても大きいだろうことを考えると、かなりじゃないかなあと思う。これで指数関数的に増えたらきついわけですよね。
NHKのサイトには、いまの算出方法で計算した場合の過去の数字も、グラフの画像で出している。

このグラフの絵を、目を細めて一生懸命見るとですな、おおよそ2月下旬とかと同じ高さかなあというふうに見える。そのころの「10万対発生数」を見直すと、全国でおおよそ100台、山陰が200を超えていて全国1,2位だったときで、東京では一足先に60台ぐらいに落ちて、関西でもおおよそ100が切れつつあるような数字で、それがだいたい全国で30-40位台とかだったね。そのぐらいの湯加減の高さなのかな。
いちおうデータを書いておくかね。「1週間に報告された1医療機関当たりの感染者数」をNHKのサイトから。東京が3.53、大阪が2.37、京都が2.96、奈良が3.33、兵庫が2.62。この数字そのものにはあまりいみがなくて、都道府県どうしを比べてもなんのいみもない。どこが感染が厳しいのかもわからない。ただ、定点観測なわけだから、それぞれの都道府県の変化はわかるということ。変化の数字を見るには各都道府県をクリックすると前週と今週の数字は表示されるが、ついでに何倍かも出してくれているとありがたいのだがそれはないみたいだね。ちなみに兵庫が前週の1.56倍くらいできつい。東京1.47、大阪1.28、京都1.46、奈良1.31、ってかんじ。新しい数字の見かたに慣れるべしであるね。やれやれである。

どうも国の姿勢として、「感染の心配を以前のようにはするな、罹ったら罹ったでそんときのことだ」というほうに舵を切っているし、じっさい誰もが明らかにマスクをしなくなりつつあるし換気もしなくなりつつあるので、これはあるていどどこで感染してもおかしくないし避けられない実感がある。専門家のひとたちも、おおよそこれから1,2年ぐらい(だっけ)で(イギリスみたいに)国民の多くが感染して集団免疫を獲得することでコロナは収束に向かうよみたいなことを言ってたわけで(Twitter卒業の丼先生がさいごのほうでいってたのは、ワクチンだけの時より感染した後のほうが免疫の残り方が高い水準だぞ、みたいなことで、過剰に感染を拒否して社会生活から切り離されてはいけないぞ、というようなことだったと思う)、しかし、ウイルスが弱毒化したわけでも感染力が弱まったわけでもなくて特効薬ができたわけでもない、感染をすぐに見分ける確実な検査ができるようになったわけでもない以上、何も問題は解決していないように思われる。持病があったり高齢だったりリスクのある人、が周りにいる人(いるかもしれない人)は気を付けるべし、は引き続きあてはまるとしつつ、やってくべしかなあと思う。

5/30.
札幌医大のサイトが人口あたりの感染者数の推定値を出しているようだ。最新が5/21付け。「人口100万人あたり」の数字なので10で割ると今まで見慣れた数字になる。えーと、10万人あたり100前後とかなので、まぁおおよそ上↑で検討をつけたぐらいの数字で合ってた。
web.sapmed.ac.jp

日本全国の都道府県別,人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推定値の推移です.2022/10/3から2023/5/7まで30週の全数把握による感染者の実数と定点医療機関での報告数を用いて,2023/5/14以降の定点報告から感染者数を推定しています.


6/1.
少し前からちらちらと言及されているのを見てたが、なぜか自宅メインノートPCではセキュリティにはじかれてリンク先を見れなかったもの。べつのでみれた。
モデルナが公開している。患者数推移、陽性率推移あたりの推計値を出している。「人口当たり」が出ていないのと、地方ごとのグラフまでしか出てないのはあるけど。
「新型コロナ・季節性インフルエンザ リアルタイム流行・疫学情報」(モデルナ)
moderna-epi-report.jp

6/23.
感染状況の発表が週1回になり、いろいろなサイトへの反映のタイミングもいまいちつかめないけれど、感染が広がっているのはたしかで、また、さしあたり沖縄がまた厳しくなってきたようだ。


www.okinawatimes.co.jp
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1733813.htmlryukyushimpo.jp

夕方にみたら、NHKのサイトに今週の発表が反映されたっぽい。
今週の発表は、「6月12日~18日 新型コロナの感染状況」ということで、ほぼ先週の数値である。やれやれ。まぁそれしか出ないのだから文句を言っても仕方ない。
札幌医科大のサイトのデータも6/18という日付に更新されている。こちらは都道府県別の人口あたりの新規感染者数を出してくれてるのでありがたい。人口10万人あたりに換算してメモする。東京が261.6人(全国五位)、大阪が149.8人(25位)、京都が126.1人、奈良が315.2人(沖縄に次いで全国二位)、兵庫が233.2人。ちなみに沖縄は594.3人。二位にほとんどダブルスコアである。ただしこれはほぼ先週の数字で、今はもっときつくなっているはず。また、「一医療機関あたり」でいうと、沖縄は28.74人、次が鹿児島(人口当たりでは3位)で9.60人、奈良は5.40人なので19位ぐらい?になっている。

7/21.
おおよそ一ヶ月、というか4週間たった金曜日にまた発表があったわけで、札幌医大のサイトから数字だけマークしておく。本日発表で、7/16の数字。概ね、感染者数は全国で着々と上昇している。沖縄はピークアウトしつつある模様だが、ほかで医療が厳しくなってきたというのがちらほら目につく。全国トップは和歌山で696.3人。沖縄は658.1人でこれが4位。東京が421.4人、大阪が人(これがほぼ全国平均ぐらい)、京都が289.0人、奈良が635.7人(沖縄に次いで全国5位)、兵庫が666.5人でこれが沖縄を抜いて全国3位。

7/30.
数字をマーク。7/28発表で、7/23の数字。奈良が全国トップになって858.6人。和歌山が839.1人で3位。全国平均が435.5人、東京が386.3人、大阪が455.7人、京都が380.1人、兵庫が779.9人で全国5位。
例によって考え方。たとえば人口10万人あたり400人をそのまま計算すると100人に0.4人。ただ、例によって暗数を考えてみるとする。おそらく現在は捕捉率は以前よりも下がっているだろうと考える。で、コロナ禍当初の検査体制が不十分だったときに10倍などという計算もあったかと思うが(その後多分それよりは改善されてたんだろうと思うけれど)、やはりそのぐらいの見積もりが決して大げさではないように思われる。ただまぁそのあたりは例によって人それぞれのリスク感覚などに応じて考えましょうとなるとして、まぁだから仮に、1~10の倍率を掛けるぐらいに考える。すると、100人に0.4~4人ぐらい。

7/31.
岩田先生の記事。「5類」の説明と「定点報告」の説明。
yomidr.yomiuri.co.jp

8/24.
お盆休みがあり、その結果が反映されるのかな?次の新規感染者データ公表はあしただけれど、このタイミングでまず現時点の数字をマーク。8/18発表で、8/13の数字。おおまかにいうと数字は落ちてきていて、ピークアウトのけはいはある。ただしお盆休みの影響がどう出るかというのはあるけれど。で、ともあれ、上がって降りた結果、先月末に上↑でマークした数字と似たり寄ったりではある。
ちなみにまずNHKのサイトから「一医療機関当たりの全国平均の推移」グラフを。

で、札幌医大のサイトから淡々とデータを。
全国平均は444.1。奈良は全国2位で817.2人。和歌山が809.2人で3位。東京が469.6人、大阪が332.0人、京都が390.4人、兵庫が726.9人で全国4位。ちなみに全国トップは鳥取で873.3人。おとなり島根はいまのところまだ512.9人で、以前は島根と鳥取の動きは連動してたのだけれど、このところはそうでもないのかね。
ともあれ、これはまだお盆前からお盆中ぐらいの数字なので、これがまた明日発表の最新データでどうなってるかだね。

8/25.
はい、答え合わせ。まずNHKのサイトからグラフを。

はい、やはり増えましたね。まぁそうなるわね、ぐらいのかんじ。
で、粛々と札幌医大のサイトからデータを。
全国平均は559.5。奈良は全国1位返り咲きしました1186.5人。和歌山が858.8人で6位。東京が496.6人で全国平均より下になりましたな、大阪が385.7人で京都が408.2人、このあたりは最下位から4番目と5番目。兵庫が788.0人。ちなみに鳥取は2位陥落で951.7人。おとなり島根は640.0人。

そうそう、8/25のニュースとしては、尾身会長の退任をマークしておかねばである。

尾身氏、コロナ対策一線退く「葛藤の記録残したい」 政府が体制刷新(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
尾身氏、コロナ対策一線退く「葛藤の記録残したい」 政府が体制刷新
8/25(金) 20:11配信 朝日新聞デジタル
 
 新型コロナ対策を専門家の立場からリードした尾身茂氏が、政府の感染対策の一線から退く。政府は25日、「新型インフルエンザ等対策推進会議」の新メンバーを発表し、議長の尾身氏が外れた。尾身氏は朝日新聞の取材に、退任を機に「専門家としてどのようなことに悩み、葛藤したのか、最後の責任として記録に残したい」と語った。
 尾身氏が会長を務めていた、推進会議の下につくられた新型コロナ感染症対策分科会など四つの分科会も廃止され、尾身氏のポストはなくなった。
 
 新型コロナは2020年1月に国内で初めて患者が確認された。尾身氏は同年2月に厚生労働省にできた専門家会議に参加。密閉・密集・密接の「3密」回避を世界に先駆けて呼びかけ、「第1波」のコロナ政策を主導した。専門家会議は同7月に廃止されたが、新たに対策分科会の会長に尾身氏が就き、対策のとりまとめを担ってきた。

 一方、東京五輪パラリンピックを控えた21年6月、「無観客での開催が望ましい」などとする提言を発表するなど、政府と対立も辞さない姿勢に政府内には不満もくすぶっていた。


8/27.
この頁は5/27から書いてるので3か月、そろそろ記事を新しく立てるタイミングなのだが、まぁちょうど次回予告にちょうどいいっぽいニュースを見かける。

オミクロン株出現以来の大進化! コロナの新しい変異株「BA.2.86」はマジでヤバい!? - 社会 - ニュース|週プレNEWS
オミクロン株出現以来の大進化! コロナの新しい変異株「BA.2.86」はマジでヤバい!?
2023年08月26日
取材・文/川喜田 研 イラスト/PIXTA
 
「これはヤバいかも......」。世界各国のウイルス研究者がそう声を漏らすほど、注視している新型コロナの変異株がある。

「BA.2.86」と呼ばれるその変異株は、世界保健機関(WHO)が「監視下の変異株」に分類し、アメリ疾病対策センター(CDC)も追跡することを明らかにするなど、日に日に注目度が増しているが、日本のメディアではほとんど報じられていない。

BA.2.86は、なぜ今これほどまでに騒がれているのか? 新型コロナ変異株の動向に詳しい、東京大学医科学研究所の佐藤佳(さとう・けい)教授に聞いた。

* * *

■オミクロン株出現のときの空気感に近い
新型コロナの「5類移行」後、初めての夏を迎えている日本。8月も後半に入り、XBB系統の変異株によってもたらされた「第9波」も「そろそろピークアウトか......?」と思っていたら、海外から気がかりなニュースが飛び込んできた。

現在、世界各地で感染が広がっているXBB.1.6や、EG.5といったXBB系統とは異なる、まったく新しい変異株「BA.2.86」が出現。その感染例がイギリス、イスラエルデンマーク、スイス、アメリカなどで相次いで確認され、WHOやCDCが急遽「監視対象ウイルス」のリストに加え、警戒しているという。

研究コンソーシアム「G2P-Japan」を率い、次々と出現する変異株の研究に取り組む東京大学医科学研究所の佐藤佳教授はこう話す。

「今回見つかったBA.2.86は、従来の株に対してものすごい数の変異があることが確認されていて、世界中のウイルス学者や専門家が最も注視している変異株だといっていいでしょう。今の空気感は、日本でも2022年初頭に『第6波』をもたらして大流行したオミクロン株出現のときに近い感じがします。

BA.2.86は、名前からも想像できるようにオミクロンBA.2の子孫なのですが、驚くべきはその変異の多さです。元になったBA.2に比べ、BA.2.86は、ヒトの細胞に侵入するために使う『鍵』の役割を果たすスパイクたんぱく質で33ヵ所、スパイクたんぱく質以外の部分で12ヵ所と、ゲノム配列全体で計45ヵ所もの遺伝子が変異しています。

これほど多くの変異を持つ変異株の出現は、2021年の11月に南アフリカで最初に確認されたオミクロン株以来のことです。変異の数が多ければ、伝播力、感染力、病原性など、ウイルスの性質が大きく変わっている可能性があります。

またBA.2.86に感染した人が、すでに複数の国で確認されたということは、もはやこのウイルスが世界各地へ広がっているのは間違いない。そのため、WHOを含め、多くの専門家がこの変異株を警戒しているのです」(佐藤教授)

■XBB対応ワクチンの効果にも影響
2019年の末に中国の武漢で最初の流行が始まって以来、3年半以上にわたり、何度も変異を繰り返してきた新型コロナウイルス。佐藤教授によると、新型コロナの変異は大きく分けてふたつ考えられている。

ひとつは、感染する過程でウイルスの遺伝子の「コピーミス」が蓄積し、連続的に小さな進化を繰り返す「抗原ドリフト」と呼ばれる現象と、もうひとつは、一気に大きく変異する「抗原シフト 」と呼ばれるものだ。

BA2.86の出現は、その変異の多さからも、オミクロン株登場以来の「大進化」といえる部類なのだという。

「現時点でBA2.86の性質についてはまだわかっていないのですが、これまで確認された感染者に限れば、従来の変異株に比べて症状が重いといった報告はないようです。ただその一方で、ウイルスにこれだけ多くの変異が入ると『免疫回避性』(免疫から逃れる性質)がさらに高まっている可能性があるというのは、多くのウイルス学者が懸念している点です。

オミクロン株が登場した時点で、新型コロナの免疫回避性は大きく高まり、ワクチンによる感染予防効果の低下を招いていました。そこで、今、世界的な流行の主流となっているXBB系に対応した新たなワクチンが開発され、9月20日から接種が始まる予定なのですが、仮にこの先、XBB系統とは大きく異なるBA.2.86の感染が広がれば、このXBB対応ワクチンの効果にも影響が出る可能性があります」(佐藤教授)

ちなみに、8月22日、アメリカで新たに確認されたBA.2.86の感染者は、「日本からの渡航者」だったという。しかも、アメリカへの入国直後、ダラス空港の検疫で感染が確認されたというから、今のところ感染者が確認されていない日本でも、すでにBA.2.86の感染が広がっていると考えたほうがよさそうだ。

新型コロナウイルスの変異は絶え間なく続いていますが、いわゆる『5類移行』後、空港での検疫も含めて国内の監視体制も大幅に緩められ、今では変異株を特定するゲノム解析の件数もピーク時の20分の1以下に減っている。これでは新たな変異株の出現や流行を素早く察知することができません」(佐藤教授)

BA.2.86の登場が、2023年後半の新型コロナとの戦いにどんな影響を与えるのか......? 新型コロナ感染拡大以降、年末から年始にかけて繰り返されてきた感染の波が大きなものにならないことを祈るばかりだ。


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