www.tohan.jp
れいによってTwitterを見ていたら、なんかびみょうなかんじのツイートを見かけたわけである。
下北沢駅構内の圧がすごい。 pic.twitter.com/hrk0tXlE7g
— 鈴木 正太郎 (@tarotao) 2024年11月15日
ざっくりいうと、
— 本町文化堂📖(2024/3/16開店) (@BTCC_wakayama) 2024年11月16日
本屋「儲からない仕組みを何とかしてほしい」
取次「儲からなくても良い人が趣味や片手間でやれば良い。それが新しい本屋!」
取次も商売だから仕方ないとしても、それを既存の町の本屋のイメージを利用して、「本屋を守ろう」みたいなナラティブで広めようとしているのは卑怯。 https://t.co/fd4CGSZJTk
トーハンのHONYALは、小規模書店が負け試合確定みたいな状況でも常に新規参入がある程度あり、(儲かってるかは別として)今後も継続しそうな店も出てきたのを見て始まった経緯もあるのだろうなと勝手に思っているので、これまでがんばってきた独立系書店のみなさんは胸を張って良いと思いますよ。
— 古本と新刊 書肆スーベニア (@shoshisouvenir) 2024年11月17日
それでふと思ったのは、少し前に読んだ『さあ、本屋をはじめよう 町の書店の新しい可能性』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/09/17/201543)がなんか不思議なノリだったなぁ、ということで、
かつて団塊の世代?にとって、脱サラして喫茶店を開くのが夢だったみたいなのを思い起こさせなくはない、独立書店が来てるぞみたいなノリの本。その心は、本屋で食っていこうと思わなければいいということで、まぁそれはそうだろうけれど、
…
というわけなのだった。そういうわけで自分としてはこのニュースは第一印象はあまりよくないのだったけれど、ツイートをあれこれ見ていたら、詳しく書いている人がいた(この人、上記の本とはちょっとノリの違う『しぶとい十人の本屋』のほうで登場してたひとだ(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/08/23/102200))
下北沢駅構内に、トーハンの「HONYAL」の広告が出ている。
— 内沼晋太郎📚 (@numabooks) 2024年11月17日
自分の経営する「本屋B&B」が下北沢にあり、かつトーハンと取引があるので、万が一問い合わせが行ったりご迷惑をおかけするかもしれないからと、事前に軽く教えていただいてはいた。… pic.twitter.com/MVvbzDgvNz
まぁ、この説明を読むと、まぁバランスはとれているというか、それなりに納得はするわけで、
知らない人のために公式情報を借りて説明すると、「HONYAL」とは、大手取次であるトーハンが「本の流通フローを簡略化」すること実現した、「従来は口座開設に至らなかった少額の取引先とも持続的に取引可能なスキーム」だ。
日本の出版流通は、自動で商品を送ったりそれを返品したりする前提でつくられている。なので不動産でいう賃貸物件のように連帯保証人や信任金(敷金のようなもの)が必要で、それが大きなハードルだった。
今回リリースされた「HONYAL」は、いわば「保証人も敷金もなしで、同じ仕組みを使えますよ」というものだ。
みたいなはなしは、たとえば『ガケ書房のころ』だっけ『ホホホ座の反省文』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2019/07/18/084256)だっけで、書店をつくるためのハードルがむやみに高かったというはなしを読んだ覚えもあるので、それならまぁハードルが下がるということじたいはわるくないのかな、という気もする。
まぁしかし、小型書店が苦戦しているのは構造的な問題なわけで、そこにふれないで参入ハードルだけ下げてもまぁ死屍累々になるぞと言われたらまぁそうだなあと思うし、ようするに『さあ、本屋をはじめよう』を『しぶとい十人の本屋』のあとに読んで違和感を感じたのもそのへんなわけである。