Amazonですぐ見れるシリーズ(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/12/06/000944 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/12/06/214512 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/12/07/220055)で、また鈴木清順かと思いきや、ふと気が変わって未見のブニュエルを。ブニュエルに関しては、むかし読売テレビ深夜の「CINEMAチューズデー」かなにかでブニュエル特集をやっていて、監督でまとめて見たのはそれが初めてぐらいだったと思う。で、ドキュメンタリー『ブニュエル』というのも見て、いろいろな作品のシーンも見ていたのだけれど、『黄金時代』ってなんとなく未見だったわけである。なんか、ひげのおじさんと美人がお互いの手を咥えて恍惚としているシーンを見たことはあったんだが、それがどういう脈絡でそうなるのかというのは知らなかったし、まぁ、『アンダルシアの犬』に続くシュールレアリズムの作品である以上ストーリーなんかどうせないだろうと思いつつ見た。まぁ、ストーリーなんかとくになかった。まぁそれなら『アンダルシアの犬』でいいじゃん、という気もして、60分の映画だとちょっと間延びするのではって気がしなくはない。で、もう一本これも未見の『忘れられた人々』、これはメキシコの貧民街の少年たちのはなしで、やはりいくつかのシーンは見たことがあるのだけれど、まぁ気がめいりそうかなあと思って見てなかったのを、まぁ流れってことで見た。メキシコ時代のブニュエルは、いちおうストーリーをちゃんと語るので、そのいみではふつうに見れたし、やはり悪夢のシーンはよかった。まぁしかしウキウキワクワクする映画ではないことはたしかなわけで、まぁふつうにうーんといいながら見終わった感じではある。
で、参考文献として『ルイス・ブニュエル公開禁止令』の当該章を読み返したりした。この本は、ブニュエルへのインタビューとともに「シノプシス」が載っている。『黄金時代』のシノプシスなんてそのまんまのことが書いてある。あと、『忘れられた人々』って、ブニュエルがメキシコに渡ってすぐ作ったんじゃなくて『グラン・カジノ』『のんき大将』のあとだったんだっけ、と。娯楽映画を撮ってから、こんな辛気臭い映画で映画祭に出て、インタビューでは「映画人ブニュエルが”再生”した映画」とか言われてるけれど、まぁしかし自分的には、というのはつまり1980年代~90年代初頭ぐらい?の文脈では、メキシコ時代の娯楽映画の職人監督ブニュエルがおもしろい、ということになっていたものである。まぁいまとなって見れば、辛気臭いけれどちゃんとストーリーをテンポよく語っている商業映画なんだからいいんじゃないか、という気はしなくもない。