通勤電車で読んだのは潮木先生の新書。学生に読ませたい。

潮木守一『世界の大学危機』中公新書。これいい本ですね。大学危機のはなし、というより、世界各国の大学の歴史と現状をコンパクトに面白くまとめてあって、日本で大学に身をおく自分自身や学生の立ち位置について反省的にいろいろ考えるヒントを与えてくれる本、と思う。
ていうか、たぶん潮木先生の、語り口が面白いんだと思う。この本でも、ドイツの大学について日本の人に説明するといつもわかってもらえないんだけどまあがんばって説明してみよう、みたいなくだりがあって、あんがいそういうところが好きだ。

世界の大学危機―新しい大学像を求めて (中公新書)

世界の大学危機―新しい大学像を求めて (中公新書)

潮木先生の本がおもしろいというのは昔からあって、自分が学生時代の頃は
潮木守一『キャンパスの生態誌―大学とは何だろう』中公新書、が定番だった。学生に読ませたかったんだけど、しばらく書店で見つからなくて(たしか)、うーん、と思っていたのだが、新しい新書が出たのでこれをすすめよう。

そうそう。

潮木先生、かなり上のほうの先生なのだけれど、ご自身でHPを持ってはる。
http://www2.obirin.ac.jp/~ushiogi/

DIYなかんじで、しかも情報提供をちゃんとやっている、いいかんじのサイトにしてはって、これもすごい。
インターネットが流行り始めた頃、たぶん学会でもいちばんはやくHPを作った先生の一人ではないかな。で、学会長のとき、みずから学会員に呼びかけたりして。

「実験オンライン・ジャーナル運営方法 日本教社会学会会長 潮木守一 1997年3月10日」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jses2/a/a1/olj.html

かっけえなぁ。↑この文章のなかで、ご自身のことを「小生」っつってんのがおしゃれだなぁ。

自分がHPを始めたのは97年の秋だったと思うが、自分の書いた論文やレジュメをどんどん公開するようにしたのには、やはりこの呼びかけが響いている。