http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050507-00000028-mai-soci
日本の女性は謙虚? それとも正直?――。英国とオランダに本社のある生活用品メーカー「ユニ・リーバ」が、世界10カ国の女性計3200人にアンケートしたところ、日本では「自分の容姿は他の人よりも劣っている」と考える人が4人に1人と、他国に比べ際立って多かった。
調査は昨年2〜3月、米国▽カナダ▽ブラジル▽アルゼンチン▽フランス▽英国▽イタリア▽オランダ▽ポルトガル▽日本――の18〜64歳の女性を対象に、米ハーバード大、英ロンドン経済大の協力で行われた。日本での調査対象は300人。
日本は全体的に、自分に対する評価が低い。外見的魅力に満足している人は、各国平均の37%に対し14%で、大きく下回った。「自分の外見を表すのにふさわしい言葉」として「かわいい」「美しい」を挙げた人は0%、「魅力的」もわずか2%だった。
一方、ブラジル、アルゼンチンでは、半数以上が自分の外見的魅力や美しさに「満足」と回答。米国やカナダ、イタリア、ポルトガルでも4割が「満足」と答えた。イタリアでは17%が自分の容姿を「かわいい」、英国では20%が「魅力的」ととらえていた。
日本顔学会副会長を務める大阪樟蔭女子大学の村澤博人教授(顔・化粧文化論)は「日本女性はファッションセンスもメークの腕も、自信を持っていいレベル。それなのになぜ、自分を肯定的にとらえられないのか」と嘆いている。【國保環】
(毎日新聞) - 5月7日10時29分更新
面白いデータだ。
自分の外見的魅力に満足していない、ということは、つねに「現状以上」を目指すように動機づけられている、ということであるからして、
日本女性はファッションセンスもメークの腕も、自信を持っていいレベル
ということと、つまりイコールなことである。ファッションセンスなりメークの腕なりが向上するのは、自己否定あればこそ、であるのだから、
「なぜ、自分を肯定的にとらえられないのか」と嘆いている
と、この村澤という先生がほんとうに嘆いているのだとすると、ずいぶんおかしなことだと思う。
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ついでにねんのため。
このアンケートの質問をごくしょうじきに理解するとすると(つまり、「容姿に優劣をつけることなどけしからん」などといまさらいわないことにするとすると)、
そして客観的には、容姿というのが正規分布するのだと仮定すると、
日本では「自分の容姿は他の人よりも劣っている」と考える人が4人に1人
という値はまだまだ少なすぎるのであって、
ものすごくざっくりいうと、全体の半数が「他の人より優れ」残りの半数が「他の人よりも劣っている」というのが客観的な認識というものだ、
というみかたもできる。
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もっとも、この問題は、考えると面白い問題だ。
「容姿というものが正規分布する」というのは、じつは強すぎる仮定だと思う。
じゃ、どういうモデルを立てて考えるのが適切か、というと、なかなかむつかしいと思う。