通勤電車で読む『ただのサラリーマンが時間をかけずに半年でTOEICテストで325点から885点になれたラクラク勉強法』。ゲームとしてのTOEICを攻略してハイスコアを叩きだせ!の確信犯。

学生さんの中で、TOEIC受けようかなというのがときどきいて、わたくし自身は語学力などさっぱりとんちんかんなのだけれど、おうおう受けろ受けろと言うのだけれど、この本、どこだかのサイトで勧めてあってちょっとそういう学生さんたちに勧めたらいいかなと思って読んでみた。で、結論としては、面白い、でも学生さんがこの本でモチベーションが上がって成果が上がるかは微妙かも、というかんじ。
この本、ようするにTOEICというのをひとつのゲームのようにとらえて、その攻略法を知れば、英語力をさほど向上させなくても、誰でもハイスコアが叩きだせるよ、という趣旨。そのことをまず、縷々説明していて(たとえば自分がいかに非秀才のふつうのオッサンで、時間の余裕もないふつうのサラリーマンで、無理な努力もしないままTOEICで高得点を取り、しかしいまでも英語力がたいしたことないか、等々)、つまり、確信犯なのだ。そのいみでは読んでて面白いし、なるほどと思うし、たぶんまねればハイスコアを出せるようにもなるだろう、でもそれと「英語力」が別ならなんでTOEICなんて受けるの?という疑問も出てくる、けれどそこはあらかじめ織り込み済みなわけである。
ま、でも、書いてある攻略法そのものがインチキなわけではないので、いちばん基本的なこと(たとえば、なんだかんだいって中学程度の基礎の基礎がしっかり身についてることが必要で、けっきょく平易なことこそいちばんよく使うことなのだ、とか、なんだかんだいって語彙数を増やせば楽だ、とか)は全くなっとくのいくことで、それをやるっちゅうのは結局そこそこの「英語力」を身につけるってことでもあるだろう。あたりまえのはなしだけど、「英語力」全くナシでは、ハイスコアなど狙えないわけなので。そのへん、「自分はTOEIC高得点だが英語力はたいしたことない」という点は、まぁこの本のセールスポイントなのでちょっとおおげさに強調してあるけれど、そのへんはさしひいてもいいだろう。そうするとふつうに学生さんに勧めてもいい本かなあとも思える。