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『くちづけ』は1957年、増村保造監督の第一作だと。短いので見てみたけれど、まぁシンプルでよかった。映画は女と銃だ、ではなくて女と一台の自動車があれば映画はできる、でもなくて、少女とバイクがあれば映画はできる、という映画。増村って、あれこれ読んだ先入観でなんとなくうっとおしそうで敬遠して見てないけれど、意外とこれはよかったなと。
で、ついでにということで手元のDVDを探して、てっきり録画してあったと思ってた『青春残酷物語』は見当たらなくて、しかたがないので『太陽の季節』と『狂った果実』みた。
『太陽の季節』は1956年、たぶん初めて見たんだけれど、これのなにが画期的でなにが「太陽族」的なのかがいまいちぴんとこなかった。なんかこう、映画としてのハツラツ感がないかんじがして、そうそう、ちょうどいまデータを調べるためにみたレビューサイト(http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=137251#2)の評にあるように、「文芸的」なかんじ。
で、まぁ一応という感じで見た『狂った果実』はまた意外に良かった。1956年中平康監督。やがて『危(やば)いことなら銭になる』(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20050807#p1、http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20111225#p2)を撮る人だと思えば、意外に良かったのもわかるな。これはなるほどシンプルで若さがあって、ファム・ファタル的な女と二人の男、トリュフォーが「日本のヌーヴェルバーグだ!」と言ったというのもわかるかんじ。