『精神』みた。

精神 [DVD]

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まぁ映画のほうは、ふつうで、あと特典映像もあわせて見ると吉。岡山のある精神科診療所が舞台で、そこにつどう患者さんたちの姿を写している映画、なのだけれど、本編だけ見ているとそういうものかと思うけれど、特典映像を見ると、この撮影が、さいしょにその病院の患者さんたちの話し合いによって撮影を許可するかどうか話し合われて、その結論として個別の患者さんで出演OKした人が出演するというふうに決まった(患者さんたちがそう決めたのならそれに従って協力しよう、というのがお医者さんのスタンスらしい)ということで、そうすると、ここに写っているものと、診療所という場そのものとは、どうもちょっと雰囲気ちがうかもしれないと思った。ここに写っているのは個々の患者さんであって、また診察室での医者と患者の会話であって、じつはここの診療所の「場」そのものは写っているようでいていまいち写っていないのかもしれない。そしてその「場」がこの診療所の重要なものなのかもしれないと、なんとなく想像する。
特典映像には、出演した患者さんも何人か登場するのだけれど、映画の本編の中で見るよりも、シャンとしているわけで、つまり本編の中では「患者」として、かなりしんどい状態を写されているのかもしれないし、いっぽう特典映像のほうでは、「出演者」としてインタビューを受けたり舞台挨拶で壇上に上がって喋ったりしているわけで、まぁ撮影時から時間も経って状態的にもよくなってきているということもあるだろうし、そうすると、そっちのほうも見たほうがやはりバランスよくないか、とも思うわけである。
あとですね、特典映像のさいごのところに入っている「予告編」というのは、これは犯罪的にひどい。誰が編集したのかと思う。たぶんこの映画の最低限基本的な趣旨を理解していない、しかも品性下劣な最低人間が作ったものであろうと思う。DVDの順序として本編を見てから特典映像を見て最後に「予告編」を見るわけなので、あのフィルム素材から編集してあの予告編を作り上げてしまったのだという愚劣さが際立つというものである。