前半のエピソードで登場するのは高校生の
桜田淳子。メインで登場するのは
樫山文枝(一本で十五杯トリスハイコンクでおなじみ)のメガネっ子の考古学研究者。テーマとしては、学問へのあこがれ、ってところで、まぁもちろん寅さんなわけなので、偉い学者先生も寅さんの真情に心動かされ学ばされました、というお話にはなっているのだけれど、でもそんなことは寅さんではあたりまえのことなわけで、それよりも、寅さんや、山形の片田舎で男にだまされて捨てられて
桜田淳子を残して死んでしまった女の、学問さえあれば、という思いが、やはり胸を突くのであるし、それあってこその、もういっぽうで
樫山文枝と
小林桂樹なのである。