- 作者: 西田谷洋,日高佳紀,日比嘉高,浜田秀
- 出版社/メーカー: 和泉書院
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 単行本
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認知、というよりも言語学の先生なのでということなのだろうけれど、社会学ともエスノメソドロジーとも、やりたいことがちがうわけで、とりわけ、一般法則を定立したいのか、個性記述をしたいのか、というあたりでは、まったくやりたいことがくいちがってくる。先日も、西阪論文をいっしょに読んでいただいて、おもしろがっていただいたのだけれど、なぜ一般法則を定立しないのか、っていうかゴフマンや言語学者がせっかく一般法則を定立してるのにわざわざ茶々を入れようとしてるようにみえるのはなぜなんだ、といったような感想をいただいて、おもしろかった。まぁそうなわけである。言語学とエスノメソドロジーではやりたいことがちがうんである。
なわけでこの本。文学研究者と認知言語学者が「物語」について共同研究をやった成果、という。文学研究も個性記述なわけで、つまり、「やりたいことがちがってる」、はず、なわけで、そのことが明言されてもいる。
で、そうなんだけれどこの本が成立してるわけで、そこんところがおもしろいところ。
で、まぁやっぱり言語学の枠組みで書いてある部分のほうがすっきりとわかりそうなきがする。
薄いテキストなのだけれど、梶井基次郎の「桜の樹の下には」が参考資料として載っていて、各章はそのテキストを参照しながらあれこれ議論しているので、けっこうおもしろい。