私立中入試算数 問題文に問題あり あり得ぬ設定多数

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050612-00000000-san-soci

濃度30%食塩水 一晩で半減する生物
 「濃度30%の食塩水」「一晩で別の生物に変身する生き物」−。私立中学の算数の入試問題で、科学的にありえない状況設定に基づいた入試問題が多数出題されていることが、東京理科大の芳沢光雄教授(数学教育)らの調査で分かった。読み方によっては正解が変わる、あいまいな問題文も目立つ。相次ぐ国際調査で日本の子供たちの「読解力不足」が指摘されているが、教師たちもそれを責められない状況が生じている。
 調査は首都圏を中心とした私立中学校百校の算数の問題を対象に、状況設定や問題文の正確さを検証した。特に、理科的な内容を題材にした問題で不備が目立った。
 「割合」の単元では、食塩水を題材にした問題で、塩は百グラムの水に最大二八・二グラムしか溶けないにもかかわらず、食塩水の濃度を30%以上と設定している問題があり、中には40%以上と設定している部分もあった。
 都内の有名中学では、「正六角形の頂点の一つを、他の辺につくように折った」とし、できた角の角度を求める問題を出題した。しかし、出題の条件に合うように正六角形を折ると、頂点は他の辺には付かないため求める角が存在しなくなり、科学的に実在しない状況が設定されていた。
 また、「偶数匹の生物Aは、一晩で半分の数の生物Bに変身する」など不必要に非科学的な例を挙げる問題や、条件設定を示す問題文が複数の意味にとれる問題も目立った。
 こうした問題について、芳沢教授は「当然ながら、自然界に一晩で数が半分になる生物は存在しない。偶数個の赤い玉を一晩で半数の白い玉に入れ替えるといった内容にすれば、不自然ではないのに」と指摘する。
 昨年末に発表されたOECD経済協力開発機構)などの国際調査で、日本の子供は問題文などの読解力が大きく低下し、先進国の平均並みとなっている。
 芳沢教授は「たとえ算数であっても、科学的に正しい設定と正確な日本語を使うべきで、教育的配慮を欠いてはならない。問題の文章にはもう少し気を配ってほしい」とし、科目の内容だけにとらわれず、学習内容全体を見渡した問題作成を求めている。
産経新聞) - 6月12日2時53分更新

どうでもええようなニュースやなあ。
「正六角形」の問題は、記事の文章からだけでは要領を得ないけれど、たんなる出題ミスなのだろう。これは論外。
「濃度30%の食塩水」というのは、算数の問題が理科の知識に抵触する場合。これも、理科の知識(なりセンス)のある受験生(じっさいにいなくても、可能性として)が迷うことになるので、アウト。
でも、
「一晩で変身する生物」というのは、さいしょからフィクションであることはわかっているわけなので、受験生の小学生だってフィクションとして解答できると思う。ぎゃくに、そのくらいのフィクションを頭のなかで処理できないやつがおったらそのほうがもんだいやろう。「当然ながら、自然界に一晩で数が半分になる生物は存在しない」というのであれば、当然なんだから問題なしやろう。
むしろこの芳沢という人が「偶数個の赤い玉を一晩で半数の白い玉に入れ替えるといった内容にすれば、不自然ではないのに」と言っているほうがずっと不自然である。
たぶん、まちがいなく、この地球上で、
「偶数個の赤い玉を一晩で半数の白い玉に入れ替える人」
なんて存在しないわけで(なんかよほどトリビアル&無意味な苦役を強いられている人みたいですな。シュールですよ)、フィクションとしてもずっと想像しにくく小学生を戸惑わせると思う。生物A、というほうが、問題文としてこなれてると思うのだけど。

ていうか、先日の意図不明の「日本語力低下」報道とあわせて、
また学力低下関係の「ニュース」が出てきてる。
なんやろこれは。

追記
「濃度30%の食塩水」うんぬんについては、
この記事の濃度の計算のやり方がおかしい、というおはなし。
http://d.hatena.ne.jp/claw/20050613
はいはい。なるほど。
えー、記事を読んだとき一瞬、「?」と思ったですが、スルーしてました。
えー、この記事、というか芳沢という教授がゆってはることがたぶんもとねたなんで、
もとを当たってみないと誰がどう間違ってるのかようわからんのですが、
とりあえず、なるほど、おかしいですな。