散歩に出かける。岩館『アマリリス』と春日『家屋と妄想の精神病理』買う。

天気がよかった。碁を見終わってから、着ぶくれて出かける。寒いのは寒いのだけれど、空気の中に春のけはいを予感するのは早すぎやろうか?いやいや、いいじゃないですか。
というわけで、本屋に入ったら、岩館真理子『アマリリス』の5がでているじゃないですかあ。これは買わねば。というと、まぁついでに、いままで何度かスルーしていた春日武彦『家屋と妄想の精神病理』も合わせてレジへ。

アマリリス 5 (YOUNG YOUコミックス)

アマリリス 5 (YOUNG YOUコミックス)

家屋と妄想の精神病理

家屋と妄想の精神病理


『アマリリス』はさっそく楽しく読んで、あまりのあっけない終わりかたにびっくりはしたのだけれど、いうまでもなく、このお話を正しく終わるような終わりかたというのは、なくて、あるいはあってもそれやったらまちがってるわけで、あちこちに張られた伏線をぜんぶ律儀に回収していくようなことをしても宿題を片付けてるみたいにしかならないわけなので、まぁこんなかんじで無責任に終わる(あるいはようするに、終わらない)ことのほうが、らしい、ってきがしたのでよかった。寝て起きてもう一度最初から読み直したけれど、やはりよかった。
『家屋と妄想・・・』のほうは、寝る前に1章だけ読んだのだけれど、あれですね、妄想系の症例の話というのは、みょうに生々しいリアリティがあって、寝る前に読むもんではないですな。天井裏に誰かがいる、という妄想のパターンがあるのだそうで、それが、ひとりぐらしの老女に典型的にあらわれるのだそうで、これは日本でも欧米でも共通なのだそうで、そのはなし。それがたんなる被害妄想ではなくて、いつもうっすらと、馴れあいみたいな共生の気配がある、というのが薄気味悪くて生々しいんである。天井裏の住人は、留守中に部屋にしのびこんできては、自分の櫛やこけし、カーディガンなどを盗んでいったり、日めくりカレンダーを一枚余計にめくっていったりそういういたずらをするのだそうで、「おまけに犯人は、罪滅ぼしのつもりなのか水槽に金魚を一匹増やしていったことがある」というんである。で、老女は、迷惑を切々と訴えながら、毎日、金魚にえさをやったりしながら生活している、というの。