非常勤先の売店で買った村上春樹『若い読者のための短編小説案内』。

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

まぁあれです。村上春樹という人は、みるからに、他人の小説を読んで自分が書くというタイプではないので、こういう企画には向いてないですね。というのが感想。
あと、丸谷才一の「樹影譚」の中でマルト・ロベール『起源の小説と小説の起源』に関する言及があるのだそうで(わたしはよんでない)、それを村上は、現実に存在しない丸谷の小説的創作による評論ではないか、と書いていて、その後、註で、いやいや実在するよ有名だよと三浦雅士に指摘された、と補足している。
起源の小説と小説の起源

起源の小説と小説の起源

このやりとりそのものが、出来すぎでフェイクに見えなくもないのは、マルト・ロベールの所論を参照した蓮實重彦『小説から遠く離れて』の中で、まさに丸谷才一村上春樹の作品が、双子のように似ていると指摘されているからなわけだけれどそれはどうでもいいはなし。
小説から遠く離れて (河出文庫)

小説から遠く離れて (河出文庫)