BSの「昭和演劇大全集」で「ジャガーの眼」見た。来週は「小指の思い出」だとう!

学生時代に、小劇場の演劇を戯曲で読んでいた(見に行きはしない)。「ジャガーの眼」は、NHKのテレビでやってたのを見て、それから『新劇』という雑誌に戯曲が掲載されているのを古本屋で買って読んでた。野田秀樹に関しては、高校時代の一時期、毎晩、文庫本の野田秀樹の戯曲ばかりくりかえしくりかえしくりかえし読んでいた時期があって、ワルキューレ三部作ぐらいまでは戯曲を全部読んでいたんである。
先日、ふと気づくとBSで「ジャガーの眼」をやるというので、見たら、学生時代に見たNHKの放送を使っていた。
戯曲で読むのと違って、台詞がほとんど聞き取れない。カツゼツの問題もあるし、台詞回しが早口だというのもあるのだけれど、たぶん、芝居小屋(ていうかテントですね)にいればある程度ききとれるのだろうけれど、テレビだとマイク位置が制限されてるのでよけい聴き取りにくいのだろう。それでもストーリーはとてもわかるわけで、センチメンタルとドタバタと臓器移植のミクスチャーで、「ジャガーの眼だぁぁぁッ!」なんていう決め台詞のところではもりあがってゾクゾクとする。で、結構、以前読んだ戯曲や見たシーンなんかを覚えてるもんで、そのへんでもぐっときた。あと、このたび解説を聞いていて初めて知った(以前はピンと来てなかった)のだけれど、寺山修司へのオマージュなんですね。なるほどねえ。

http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/
来週は野田秀樹

ミッドナイトステージ館 [昭和演劇大全集]昭和60年・唐十郎の紅テント「ジャガーの眼」(劇団状況劇場
BS2 6月2日(土) 前0:05〜2:08(1日深夜)
「昭和演劇大全集」昭和60年・唐十郎の紅テント「ジャガーの眼」(劇団状況劇場
[出演]   解説:渡辺 保  聞き手:高泉淳子
[舞台中継] 「ジャガーの眼」(新宿花園神社・1985年)
作・演出:唐十郎
        出演:唐十郎、金守珍、御旅屋暁美、田中容子、千野宏、六平直政 ほか
6月の「昭和演劇大全集」は、ぐっと若返って、昭和60年代の舞台をお届けします。
バブル景気に後押しされ、いわゆる小劇場ブームが巻き起こった時代。
今回登場する2本は、1980年代演劇のトップスター、野田秀樹率いる夢の遊眠社と、
アングラ全盛期を経て80年代をしたたかに乗り越えた、唐十郎率いる状況劇場
二作通してご覧になると、両者の意外な共通点も見えてくるのではないでしょうか?
唐十郎さんが、師でもあり永遠のライバルでもある寺山修司さんへのオマージュとして、
「臓器交換序説」をはじめとする彼のメッセージを随所に折り込み、
その三回忌に合わせて書き下ろした作品が「ジャガーの眼」です。
冒頭、巨大化した寺山修司さんの有名なサンダル(かかとが高いのです)に乗った唐さんが登場!
そこから先はいつもの唐ワールドで、ウブな男と彼につきまとう謎めいた情熱の女、奇妙な敵対組織(!?)、
それに愛すべきダメ人間=唐十郎が、人から人へと渡り歩く伝説の眼球・ジャガーの眼をめぐって、
ロマンティックなドタバタ劇を繰り広げます。
唐さん演じる迷探偵・田口や白衣のマッド・サイエンティストなど、
その後の唐作品にしばしば登場する人物たちが詰まった作品でもあります。
現・新宿梁山泊の金守珍さんや、いまやテレビ・映画に欠かせない個性派俳優、六平直政さんなど、
80年代の状況劇場を牽引した役者たちの体当たりの演技も見ものです。

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ミッドナイトステージ館 「昭和演劇大全集」昭和61年・野田秀樹の「小指の思い出」(劇団夢の遊眠社
BS2 6月9日(土) 前0:05〜2:24(8日深夜)
「昭和演劇大全集」昭和61年・野田秀樹の「小指の思い出」(劇団夢の遊眠社
[出演]解説:渡辺 保  聞き手:高泉淳子
[舞台中継]「小指の思い出」(下北沢・本多劇場・1986年)
作・演出:野田秀樹
出演:上杉祥三、野田秀樹円城寺あや竹下明子段田安則羽場裕一
佐戸井けん太 ほか
6月の「昭和演劇大全集」は、ぐっと若返って、昭和60年代の舞台をお届けします。
バブル景気に後押しされ、いわゆる小劇場ブームが巻き起こった時代。
今回登場する2本は、1980年代演劇のトップスター、野田秀樹率いる夢の遊眠社と、
アングラ全盛期を経て80年代をしたたかに乗り越えた、唐十郎率いる状況劇場
二作通してご覧になると、両者の意外な共通点も見えてくるのではないでしょうか?
80年代小劇場ブームを駆け抜けた、野田秀樹夢の遊眠社
「小指の思い出」は、そんな彼らの生んだ傑作です。
「少年」「両性具有」「現実の力vs妄想の力」など、当時の野田さんが好んだモチーフが
ふんだんに盛り込まれ、役者がさまざまな役を演じながら、それら複数の世界が言葉の魔法で
重なり合い、最後に巨大なクライマックスを迎える、いわゆる野田ワールドを代表する作品です。
現在の野田作品にも言葉遊びはしばしばありますが、この当時はもっと多く、ただのダジャレから
思わず感心してしまうもの、さらにモチーフの根幹にかかわるものまでとさまざまです。
若き日の野田さんの異常なまでの跳躍力と、その女装の怪しい美しさ、上杉祥三さんの汗が輝く熱演、
段田安則さんのクールでダンディな敵役、体を張った女優陣(遊眠社は稽古のハードさで有名でした)
など、NODA・MAP時代の作品にしか触れる機会のない若い世代の人にも、
当時の遊眠社ブームの一端は伝わるのではと思います。
それに加え、今回は番組前半の渡辺保さんと高泉淳子さんの対談部分にもご注目ください。
今から27年前の1980年に収録された若々しい野田さんのインタビューに加え、
当時NHKのスタジオで収録された、遊眠社による「二万七千光年の旅」のダイジェスト映像が
放送されます。どちらもほんのさわりの部分ですが、野田ファンは必見です!