某日。帰省を図り、荷物にそれらしい新書や文庫を3冊ほど入れて下宿を発ったのだが、駅で新幹線を待つあいだに書店にはいると、ちょっとほしそうな本があったので、買った。
ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008
- 作者: 小西康陽
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帰省、というシチュエーションとピチカート小西(という言い方はいまではしないのかしら、本の中では「おはロックの」、という形容で訃報を書かれるのじゃないかと、まぁその時期の文章の中でいってたが)は、合う。帰省の列車の中で読んでいて、実家のある町の名前が不意にでてきておどろいたり。茶の間でテレビで久世光彦(これも、正月の向田邦子ドラマの演出で定番だったといういみでは帰省のときむき)の特集をやっているのを見ていたら久世光彦がなくなったという日記が書いてあったり。
それよりなにより、本の全体を覆う、うっすらと鬱的な懐旧的気分。
帰りの汽車で、『映画と・・・』をぱらぱらっと読む。つまり、序文を読んで、それから蓮實重彦と黒沢清の章を読んで、あと編者の序論をさーっと読んで、あとぱらぱらみたいなかんじ。