録画しておいて見たNHK杯と「囲碁将棋ジャーナル」の女流名人戦解説。どちらも謝女流名人がいかにもな勝ち方。すげえ。

NHK杯、新年度の第一回が「山田規善九段VS謝依旻女流本因坊 解説:結城聡NHK杯」ってことで、いきなり謝依旻登場でおもしろそう。出勤する用事があったので録画しておいたのを、見てみたらやはりすごかった。
以前ここ(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20080126#p1)に書いたけど

先日、学校帰りの電車でいっしょになった先生と、囲碁将棋のはなしをしていたのだけれど、将棋界では「出雲のイナズマ」こと里見香奈女流初段がいて話題になっているけれど囲碁ではどうなんですか?と訊かれて、
「ええっと・・・若くて強いのはいるんですが・・・」
「若くて強いけど何?」
「・・・アイドルになるかというと・・・なんていうか・・・」
「え、みっともないの?」
「いやあの、なんていいますかね、かわいくないっていうこともないかもしれないんですが・・・」
「えー何よ」
「あのぅ、あかぬけないっていうか」
「ほう」
「あのー、中国出身なんです」
囲碁はね、多いですね」
「それで、ほんとは台湾なんですけど、なんか感じとして四川省とかですね、広東省とかでパンダと育ってたのをえいやっと捕まえて日本につれてきた、みたいな」
「・・・」
「山奥の竹林の中でパンダと碁を打ちながら育ってきたのを日本につれてきたみたいな感じなんです」
「むちゃくちゃいうな」
「NHKの囲碁対局に出たんですけど」
「ほう」
「なんかスーパーで買ってきたようなパーカーで出てくるんです」
「・・・あかぬけないわけやね」
「あれはすごいんです。でもなんていうか、強いわけです」
「そうなんですか」
「それが、センスがいいとかそういうかんじじゃなくて、だけど無闇に力が強くて、闇試合とか泥仕合とかになって無類に強い・・・ていうか、なんか勝っちゃうんです」
「そういうのねえ・・・」
みたいな紹介の仕方をしていたのだけれど、あってますよね?まちがってますか。

それで、またもやいかにもそれらしい碁になっていた。
山田九段という、じっくりした棋風の相手に、序盤はなんとなくペースをとられて、力を出させてもらえずにいたのが、中盤のちょっとしたところで一瞬ごちゃごちゃっとしたら、気がついたら石が生きるの死ぬのの乱戦になっていて、なんやかんやあって、結局コウ争いから派生した手でとんでもないところの大石の息の根を止めて中押し勝ち。
勝負どころとか最後のところとかでは、解説の結城くんも一瞬あっけにとられるような、打ち過ぎ感あふれる手を打ち、それでなんとなくごちゃごちゃしているうちに、なんか勝っちゃうという。
で、
そのあとこれまた録画しておいた「囲碁将棋ジャーナル」を見てみたら、ここでも今週の囲碁解説が謝女流名人×知念かおり、という女流名人戦最終局だった。解説も同じ結城くん。
で、例によって、不穏にもずいぶん局面が進行したところからスタートして、中盤の両者の技が炸裂しあって結局知念ちゃんが優勢っていうか勝勢になったのだけれど、そこで痛恨のポカの一手パス、で、そこからがおそるべし謝依旻、ずるずると生きるの死ぬのの乱戦になってきて、おそるべき勝負勘できわどく大逆転をしてしまった。これまた結城くんが舌を巻いていた。
面白いなあ。