帰省しそびれて見る初夢映画。『森の石松鬼より恐い』。丘さとみの恐怖の表情。

森の石松鬼より恐い [VHS]

森の石松鬼より恐い [VHS]

帰省をしようと思っていたら、大雪のために国鉄が運転取りやめ。
しかたないのでDVDをひっぱりだす。
マキノ正博の傑作SFメタフィクション時代劇『続清水港 代参夢道中』のリメイク。監督がマキノではなくて沢島忠。主演が中村錦之助になって、錦坊の石松はスッとしていてしかもコミカル。丘さとみのおふみちゃんも、一途なかんじがかわいい。オリジナルの片岡千恵蔵轟夕起子よりも、そこんところは見やすい。カラーだし。
ただ、ストーリーはオリジナルとはたぶんけっこう変えてあって、メタフィクション的な仕掛けが、とちゅうあんまり効いてないってのはある。ひとつには、戦後の観客は石松代参の元ネタをいまいち知らないから批評的なメタフィクションができない、ということかもしれない。
それでも(だからこそ)オチのところ、石松が閻魔堂で闇討ちに遭うという石松代参の悲劇的なクライマックスが強引に目の前に現れたときの丘さとみの恐怖の表情がすばらしい。
CinemaScape/森の石松鬼より恐い(1960/日)
CinemaScape/清水港代参夢道中(1940/日)
↑映画評サイトの紹介。ユーザーのコメントがえらく厳しいのは、まぁ、オリジナルのマキノ版が傑作すぎるからしょうがないともいえるのだけれど、でも点が辛すぎる。ていうか、この映画の趣旨がわかってなくて辛い点をつけてる人もいるような。いや、楽しい映画ですよ。