通勤電車で読む『ふしぎなふしぎな子どもの物語』。おもしろい。

ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)

ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)

著者は児童文学作家の人。しかし、「なぜ成長を描かなくなったのか?」という問いをたてて、テレビゲーム、テレビヒーローもの、男の子向けアニメ(ロボットとか)、女の子向けアニメ(魔法少女もの)、『世界名作劇場』、漫画、児童文学、というメディアやジャンルを横断して一つの構図を描き出してるのは、まぁおもしろい。まぁ、ベタと言えばベタな構図ではあるにせよ、実際の作品の分析から共通の図式が浮かび上がるというのは、まぁおもしろい。
来年度、学生さんに勧める新書本を選ぶシーズンでもある。
で、これは、勧めるかと言えば、どうしようかなあというところ。
物理的に厚いというのがひとつ。で、鉄人28号とかエイトマンとかウルトラQとかから語り起こされると、マンガやアニメやヒーローの話だからといって学生諸君にとっては古文のようなもので、接点がないように見える。『魔法のマコちゃん』あったあった!とかいって魔法のマコちゃんの歌をうたえるとかいって盛り上がれるのはやはり中年以上だよな。