学校帰りの商店街の古本屋で買って通勤電車で読んでた『経済成長って何で必要なんだろう?』。6年前の対談本の答え合わせ。

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

某日、学校帰りの商店街の古本屋でなんとなく買って、さらに某日、通勤電車で読む用にかばんに放り込み、読んでた。「シノドス」の人たちが2009年6月に出した対談本。リーマンショック後で、総理大臣は麻生、秋には民主党鳩山政権が成立するというタイミング。
経済学の発想って、ふだんの自分にないものだから、こういうので見知っておこうという魂胆。で、この本は飯田という人が経済学の立場で、いろんな社会問題は経済学的にテクニカルなやりかたで解消したらええやんという方向性で、インフレに誘導したらええやん、という基本線で、いろんな人と対談している。で、当時は結局それは実現しなくて、6年たった今は、「アベノミクス」でもってある種そういうことが行われ(たということでしょう?)、で、今、どうよ、というところから振り返ってこの対談を読むというテンション。
で、この本を読んでふしぎだったのは、グローバリゼーションみたいな話があまり出てきてなかった気がしたことで、今になってみれば家電やパソコンや携帯電話なんかけっこう日本メーカーががたがたになっているのは、国際競争でもって中国やら韓国やらに圧倒されてるんじゃなかったっけ、だとすると、雇用を流動化しつつ効率を上げて国内で景気をよくして、そうしたら需要も増えてきて、労働力不足にして雇用問題解決、とすんなりいくのかどうか、日本の労働者は中国や韓国の労働者と競争してるようなもんなわけで、「効率化」のラインはそういった国際競争でもっていちばん効率のいい(低い)水準にまで引き下げられるという理屈なんじゃなかったっけっか。まぁそれは、製品の(目に見えないところでの)クオリティであるとか、企業のコンプライアンスであるとか、そういうのも含め。そのへんのはなしが、当時どのぐらいのリアリティがあったか、すでにあやふやなのだけれど、すくなくともいま現在ならこの対談ではかならず出てくるお話になるんじゃないかと思う。で、そうするとこの飯田という人、ときどき、効率悪い地方に住んでるやつらのために東京から地方に再分配するのは効率悪いし搾取だ、もっと東京に人口集中したら効率いい、じぶんの故郷に執着する連中のことは理解できない、みたいなことを言って、こちらの憎悪をメラメラっとさせるわけだけれど、その伝で行けば、日本に住んでてもしょうがないのでさっさとソウルや上海や重慶(かなんかよう知らんけど)に引っ越せばいいじゃないか、みたいなはなしになるのかなあ、とちょっと思った。