『革命論』。アルチュセール以降の左派・政治・哲学の見取り図。

学生さんに勧めるわけではない新書本で、春休みの楽しみにと思っていたのが今になった。なんか革命ってぐらいだから景気のいい話が読めるかと思っていたら、すごくきちっとした見取り図の本だった。アルチュセール以降の左派政治哲学、っていうか左派とか政治とか哲学の見取り図。見取り図というぐらいだから、そもそもその登場人物を知らないと面白くないわけで、たとえばアルチュセールアガンベンネグリがどういう対立点を持っていたか、とか、そこにデリダ派はどうからんで、さらにデリダ派と目される内部ではなにがどうなっていて、他方ドゥルーズ派ではどうこう、フーコー派ではどうこう、その背後にいるスピノザがどうこう、みたいな話が書いてあると、うーむ、これはさしあたり手におえないしおえなくていいや(いいのか?いいのですよ)、と観念する。で、それはそれとして、読むわけで、わからないなりにためになるわけである。