通勤電車でおさらい。『女学校と女学生』学生に勧める新書リストに入れてみた。

女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書)

女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書)

本日は新入生のオリエンテーション。それに間に合うように、今年度版・学生に勧める新書本リスト50冊を完成して配布。で、この本を入れませんか、おもしろいですよと、歴史がご専門の先生に勧めていただいて、おもしろいですか、ではいれましょう、にこにこ、というかんじでリストに入れる。この、「学生が読んで面白い」というあたりのさじ加減が実はキモであって、つまりそれは、もちろん教員が読んで面白くてこれを勧めたい、というのが前提でなんだけどそのうえで、文章があまり難しくないとか議論が抽象的でないとかというハードルがけっこうあり、そしてさらに、そもそもの問題意識とか問いの立て方とかいったものが、学生さんの手の届くところにあるかどうか、というのが重要なんである。するとこの本、たとえば戦前の女子学生の生態とかといったあたりを入り口に、手紙とか日記とかを資料にした歴史を面白く読んでくれれば、そこから女子教育とかジェンダー文化の問題とかにたどりつく、というふうにいきそうで、そのへんはうまくいきそう。ただ、もう一面でたとえば竹内先生の議論、教養主義とかモダンとか、そういう議論に親しんでいればそれが下敷きになってそっちの問いの立て方で、この本のひねり技っていうかオリジナリティがあるわけで、そこを学生さんに読み取ってもらえるかというとちょっとむつかしいかも。