先日、たぶんどこかWeb上の記事で見かけた(たぶん
HONZのどこかしら?と思ったけれどそうでもないかも。ちなみに
HONZの本書のレビューもいい。
http://honz.jp/33869)、
沢木耕太郎による
藤圭子へのインタビュー本。一冊がぜんぶインタビューの会話だけでなりたっている(というふうに再構成された)ノンフィクションで、28歳の
藤圭子が引退を表明した1979年の秋、
ホテルニューオータニの40階にある
バーで
ウォッカトニックを傾けながら行われたインタビューの一夜がそのままみたいに伝わってくる。途中で歌の話になり、
YouTubeで聴きながら読む。
藤圭子のファンになる。
沢木耕太郎ファンには、べつにならない。ということはこれはいいインタビュー。
あとがきにいわく、
確かに、インターネット上の動画では、藤圭子のかつての美しい容姿や歌声を見たり聴いたりすることができるかもしれない。
だが、彼女のあの水晶のように硬質で透明な精神を定着したものは、もしかしたら「流星ひとつ」しか残されていないのかもしれない。「流星ひとつ」は、藤圭子という女性の精神の、最も美しい瞬間の、一枚のスナップ写真になっているように思える。