『晩菊』みた。どういうモチベーションで作られたのかよくわからない成瀬映画。

杉村春子が、昔、芸者をやっていて、今は因業な金貸しをやっていて、昔の芸者仲間たちにも金を貸しては憎まれている。世知辛くてしんきくさくてやるせない、いったいどういうモチベーションで撮られたのかよくわからない映画。でもまぁ、もと芸者仲間たちのうちの、落ちぶれてちょっと曖昧宿の女中みたいなこと?をやっている二人が、落ちぶれてるとはいえ仲が良いいのか、一緒に住んでて、晩、かたっぽが病で寝てるところにもうかたっぽが「トンカツ買って来たわよ」「ほらパチンコの戦利品の缶詰」みたいに帰ってくるところとか、ちょっといい。それぞれにいい歳をした息子娘がいて、そいつらはそろいもそろってアプレでお話の最後にはそれぞれ家を出ていってしまうわけだけれど、まぁお互いの子どものことについて愚痴を言ったりなぐさめたりしながらまぁそれなりに泣いたり笑ったりしながら暮らしているようなので、この二人に焦点を当てるつもりで見たらけっきょく悪くないおはなしなのかもしれない(杉村春子を中心に見てたら、まぁいい家に住んで身ぎれいにしているけれど、インゴーで孤独で、どうも陰惨な印象が残ってしまうのだ)。