『あにいもうと』。成瀬が大映で撮ったもの。

あに・いもうと [DVD]

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大映なので京マチ子が出てくるけれど京マチ子というのがどうも苦手で、ただ久我美子も出ててそっちはよかった。まぁ成瀬だから男たちがクズとかダメとかで、まぁクズ男ダメ男をさくっと見る映画ってつもりで見ると損はさせないかもしれません。

といいつつ、ふと森雅之Wikipediaで見てみると(森雅之 (俳優) - Wikipedia)、父は有島武郎、って書いてあったね。へえ。ここでは田舎の乱暴な兄の役でいまいちダメのベクトルがぴんとこなかったけれど、二年後の『浮雲』では押しも押されぬ二枚目の成瀬的ダメ&クズぶりでよかったという覚えが(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20060207#p1)。

そうそう、成瀬の森雅之のマイ・ベスト・オブ・クズ・オブ・クズ&ダメは、『妻として女として』(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20080811#p1)だと思っていて、

こっちのほうは、またしても「二号さん」モノ。で、本妻の淡島千景(美しい!)とメカケで銀座のバーを任されている高峰が対決、みたいなはなし。ところが、肝心の旦那の森雅之が、大学教授なのだけれどもう、しんそこダメな男で、淡島のほうにも高峰のほうにも、なるべく事を荒立てないようにして危機を回避しようというだけの態度を徹底していて、「・・・いまのままでいいじゃないか」などといって高峰を説得しようとしたりするので、そこまでくると逆にすごい。