通勤電車で読む『まっ直ぐに本を売る』。これは流通の本。トランスビュー方式というのは結局のところどうなのか。

まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法

まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法

以前読んだ、『本屋がなくなったら、困るじゃないか』という座談会本(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20170601#p1)に登場してた人かと思ったら、いま見たら違ったみたいだけれど、でもそこに登場してた人のひとりが「トランスビュー」という出版社の営業の人で、独特の考えをもって書店との直取引というのをやっている出版社としてフィーチャーされてたのが印象に残っていて、この本はそのトランスビューのやりかたを前のめり気味に紹介しながら、書店側とか出版社側とか取次側とかにも取材しつつ、なんかいろんな人に取材しているうちにもちろんいろいろな立場ごとにそれぞれの理屈はあるわけで、どこだって言うまでもなく厳しい現状の中でそれぞれの志を持ってしかも経営をきちんとなりたたせるべく最適解と思われることを必死にやっているわけなので、そんなはなしをいろいろと聞いているうちにだんだん微妙にトランスビュー最強みたいな単純な話ではもちろんなくなるわけで、本の最後のほうではとくに正解のなさが前面にでてくるかんじではあるのだけれど、そりゃまあそれで当然そうなるべき正解のなさなわけで、むしろいい。