マイルス『カインド・オブ・ブルー』はジョン・ヘンドリックス『フレディ・フリーローダ』と組みで。

Kind of Blue

Kind of Blue

フレディ・フリーローダー

フレディ・フリーローダー

はじめての人にジャズを勧めるとして、めやすとして、「口ずさめるか」みたいな基準があるとして、では、たとえば名盤『カインド・オブ・ブルー』を勧めるのにどうするか、というと、ジョン・ヘンドリックスという変な人 − ていうかこの人じしん大物ではあるのだけれど − がいて、『カインド・オブ・ブルー』の2曲目、「フレディ・フリーローダ」という曲のすべてのアドリブに歌詞をつけてみんなで役割を決めて歌って忠実に再現している。これはききものなのである。ていうか、かんたんにアドリブに歌詞をつけてというけれど、コルトレーンなんかも参加しているのですよ。そして、かなりむちゃくちゃに高密度なハードなアドリブ・ソロを吹きまくっているんで、それをそっくりそのまま歌詞をつけて歌って再現している、というのは、ちょっとものすごいんである。ちなみに、コルトレーン役はしっかりジョン・ヘンドリックス本人がやっている。そりゃそうだ、いちばんむつかしい&おいしい役だもんね。
で、タイトル曲のほかには、ルイ・アームストロングの名演「スターダスト」とか「スウィング・ザット・ミュージック」、ベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」なんかをボーカルとかコーラスで再現している。
ジャズは聴きたいけどインストはとっつきにくいから最初はボーカルで、などというリクエストに過激に答えるセレクションである。
久々に聴きなおして、やはり、いい。