通勤電車で読む『死ぬまで生きる日記』。カウンセリングを受けたひとが書いた記録。

死ぬまで生きる日記

死ぬまで生きる日記

  • 作者:土門蘭
  • 生きのびるブックス株式会社
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10歳のころから死にたいという気持ちを抱えながら生きてきた著者の人が、あるとき、オンラインカウンセリングというのを受けはじめて、45分×隔週のカウンセリングを受けながらそのやりとりだとかその間の心持だとかその変化なんかを書いた記録。認知症とか統合失調症とか発達障害とかの自己記述はあれこれ読んだけれど、うつの人の自己記述って意外と読んでなかったかなあというのと、カウンセリングが進んでいく感じをたぶんあるていどきちんと言葉にしているので、おもしろかった。まぁこういう本の感想としておもしろかったというのが適切かどうかはよくわからないけれど。読んでてちょっとあれ?と思ってたのは、とくに最初のあたりで、これちょっと進み方がえらく早いのでは?と思った。なんかこう初回からどんどん進んで、また著者であるクライアントの側の理解が最初からスムーズで、いろいろな気付きを得たり変化がおこったりして、えーなんかこうカウンセリングってもっとゆっくり進むイメージだったんだがなぁと思いながら読んでたわけである。しかしまぁ、読んでいくと、この1冊でおおよそ2年か3年が経過しているので、1章が1回のセッションというわけではないのかなあという気もする(そのへんはよくわからなくて、すなおに文章だけ見るとおおよそ1章が1回のセッションとその前後の心持やら変化やら考えたことやらで、それをふまえて次の章が次のセッション、というふうに書かれているように読めて、そして後ろのほうの章でいきなり2年ぐらい時間が飛んで…というふうに書かれているように読めるわけだが)。あるいはじっさいに初回からぐんぐん進んだのかもしれないし、まぁ、この著者の人がたぶんクライアントとしてこのカウンセラーさんのやりかたのカウンセリングに合ってた(?)のかもしれない ー たとえばこの人は文章を書く仕事の人なのでいろいろなことを言語的に理解して表現したり操作したりすることが得意であるかんじはありそう ー とも思った。